有機質肥料 有機質肥料の概要

有機質肥料

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/15 08:32 UTC 版)

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写真中央のセメント製の穴には、牛糞堆肥の水の混合物が入っている。この有機質肥料は中国海南省の農村部では一般的である。バケツには、混合物を使用するための棒が入っている。
コンポスト瓶。有機肥料製造のための小規模な製造設備。
大規模農業でのコンポスト。

人間由来

人糞尿
人間により排泄された糞と尿の混合物。下肥(しもごえ)ともいう。肥料取締法第二条第二項によると、凝集を促進する材料(凝集促進材)または悪臭を防止する材料(悪臭防止材)を加えられ、脱水または乾燥させられたものは普通肥料の屎尿汚泥肥料。それ以外は特殊肥料である。新鮮なものは作物に有害なため、貯蔵と腐熟させられた後に施用される[3]
発酵乾糞肥料
発酵乾糞(かんぷん)肥料とは、人糞尿を調整槽内で嫌気発酵させた後、残留物を乾燥後粉末にしたもの。特殊肥料である。窒素1〜2%、リン酸5%程度を含む[3]
屎尿汚泥肥料
以下の4種類を指す。いずれも、登録の有効期間が3年の普通肥料である[4][5]
  • 屎尿処理施設、集落廃水処理施設もしくは浄化槽から生じた汚泥またはこれらを混合したものを濃縮、消化、脱水または乾燥したもの。
  • 屎尿または動物の排泄物に凝集促進材または悪臭防止材を混合し、脱水または乾燥したもの。
  • 上記2種類の屎尿汚泥肥料に植物質もしくは動物質の原料を混合したもの、またはこれを乾燥したもの。
  • 上記3種類の屎尿汚泥肥料を混合したもの、またはこれを乾燥したもの。
下水汚泥
動物の糞の分解物は有機肥料の源である。
(人間の排泄物の)屎尿はかつて伝統的な有機質肥料であったが、現在では、下水汚泥を材料とした生物固体(biosolid)が使用されている。
土壌改良材としての生物固体は米国の農耕地において1%未満しか使用されていない。下水汚泥は産業の汚染物質を含み、このことが肥料としての再利用の障害となっている。アメリカ合衆国農務省(USDA)は、産業上の汚染物質、医薬品、ホルモン、重金属、およびその他のリスク成分を下水汚泥は含むため、米国の有機農業事業における下水汚泥の使用を禁止している[6][7][8]。USDAは、窒素含量が高い液性の有機肥料の米国での販売にサードパーティの認証を必要としている[9]。USDAの禁止により、米国の有機農業事業における下水汚泥の使用は非常に限定され、また、希少である[10][11][12]
下水汚泥肥料
以下の3種類を指す。いずれも、登録の有効期間が3年の普通肥料である[13]
  • 下水道の終末処理場から生じる汚泥を濃縮、消化、脱水または乾燥したもの。
  • 上記の下水汚泥肥料に植物質もしくは動物質の原料を混合したものまたはこれを乾燥したもの。
  • 上記2種類の下水汚泥肥料を混合したものまたはこれを乾燥したもの。
焼成汚泥肥料
下水汚泥肥料、屎尿汚泥肥料、工業汚泥肥料または混合汚泥肥料を高温で加熱し、構成化合物の安定化および形状と強度の確保(焼成)をしたもの。登録の有効期間が3年の普通肥料である[14]
汚泥発酵肥料
以下の2種類を指す。いずれも、登録の有効期間が3年の普通肥料である[15]
  • 下水汚泥肥料、屎尿汚泥肥料、工業汚泥肥料または混合汚泥肥料を堆積または攪拌し、腐熟させたもの。
  • 上記の汚泥発酵肥料に植物質もしくは動物質の原料または焼成汚泥肥料を混合したものを堆積または撹拌し、腐熟させたもの。
混合汚泥肥料
以下の3種類を指す。いずれも、登録の有効期間が3年の普通肥料である[16]
  • 下水汚泥肥料、屎尿汚泥肥料もしくは工業汚泥肥料のいずれか二以上を混合したものまたはこれを乾燥したもの。
  • 上記の混合汚泥肥料に植物質もしくは動物質の原料を混合したものまたはこれを乾燥したもの。
  • 上記2種類の混合汚泥肥料を混合したものまたはこれを乾燥したもの。

動物由来

動物の排泄物に由来

動物由来の有機質肥料には動物の排泄物(主に乳牛、豚、鶏)を原料とするものがある。動物の排泄物を乾燥させただけのもの(動物の排泄物と称される)、発酵させたもの(動物糞堆肥)、および燃焼させて灰にしたもの(動物の排泄物の焼却灰)の3つは堆肥等特殊肥料に分類される[17]

(なお、当然の事であるが、動物の排泄物に由来する肥料は、その摂取物に依存した性質を持つ事になる。疾病予防のために硫酸銅等を摂取させられている動物の排泄物に由来する肥料は銅が多くなる(特に鶏については総排出腔からの排泄を行うので、体内に取り込まれた銅のうち尿から排出されるものが全て肥料中に入り込んでくる事から銅が多くなる傾向にある。)。またリンについて吸収効率の悪い飼料を与えられている場合は排泄物中のリンが多くなり(ただし、牛等の胃等での微生物発酵を用いての食物消化を行う反芻動物については、高いフィターゼ活性により植物・飼料中のリンが効率的に吸収されるようになっているのでその分リンについての排出が少なくなる。)、逆にリンの吸収効率の良い飼料を与えられている場合は排泄物中のリンが少なくなる[18]。)

動物の排泄物
乾燥糞など。
  • 乾燥鶏糞:非常に多くの肥料成分を含む。哺乳類の産業動物と違い尿が総排出腔から出され、その成分の尿酸が肥料化されるので窒素成分について豊富である。肉用鶏の糞の窒素濃度は採卵鶏のそれよりも高い[19]。土壌中では急速に分解されるため、ガス(アンモニアや硫化水素等)や、植物の根に害を及ぼす物質を発生させやすい。施用の際は、土壌と十分に混和させる点と、作付けの一か月前に行う点を注意しなければならない[20]。また、施用量にも注意が必要で、過剰では肥料当たりが起こる。金属ミネラル分については石灰分が明確に多く、またナトリウムが他動物の排泄物由来の肥料に比べて多い。
  • 鶏糞ペレット:鶏糞に水を加え、ペレット状に加工したもの。
  • 乾燥牛糞
  • 乾燥豚糞
  • 乾燥馬糞
動物糞堆肥
動物の排泄物を原料に含み、これを堆積または撹拌し腐熟させたもの。基本的に特殊肥料であるが、凝集促進剤または悪臭防止剤を加えて脱水または乾燥したものは登録有効期間6年の普通肥料の屎尿汚泥肥料に指定されている[3]。発酵の工程では一般に副資材が動物糞に混合される。この副資材におけるもっとも重要な役割は発酵の促進である。主におが屑や木質チップなどの木質系バイオマスが副資材に用いられる[21]。副資材にはほかに戻し堆肥(水分調整などの目的で生糞尿に添加し再利用される堆肥)や食品廃棄物がある。
  • 鶏糞堆肥(発酵鶏糞):鶏糞堆肥は牛糞堆肥と比べて肥料成分、特にリン酸の含有量が高い。発酵鶏糞は発酵により窒素分が揮散しているため、乾燥鶏糞に比べて窒素分は少ない。加えて、肥効の発現が速い(植物が直接吸収できない尿酸がアンモニア態又は硝酸態に変化しているため。)。粗大有機物はほとんど含まれておらず、土壌物理性の改善効果は大いに期待できない。過剰に施用すると肥料当たりが起こる。以上のように、使用方法は化学肥料のそれに近い。島根県は野菜畑への施肥量として500kg/10aを推奨している[20]。ただし、米Agricultural Research Service(ARS)は、副資材を大鋸屑としたとき、鶏糞堆肥は土壌改良材としての価値を有することを見出した。加えて、この堆肥には高い肥料効果があることが実証された。鶏糞堆肥と他の有機質肥料と化学肥料をそれぞれ施肥した綿圃場では、綿の収量は化学肥料条件と比べて鶏糞堆肥条件で12%増加した。ARSの研究者らは、鶏糞堆肥の従来の販売額相場$61/tに17$/tの価値を足し、総合$78/tの価値と評した[22]
  • 鶏糞ペレット堆肥:鶏糞堆肥を成型機によりペレット状に成型したもの。成型機には乾式造粒型(ディスクペレッター)や円錐型(タブレット式)がある。ペレット化にはコストがかかるが、多くの利点がある。ペレット化前の堆肥(バラ堆肥)と比べて臭いが少なく、散布時に粉塵を引き起こさない。重量と容積ともに圧縮される。肥料効果と品質が均一化される[23]
  • 牛糞堆肥:牛糞堆肥の特性は、畜産牛が牧草や、繊維質の多い粗飼料を食すことに由来する。他の畜種由来の堆肥と比較して窒素分やリン分は少ないが、肥料の三要素のバランスが良いとされている[24]石灰はやや少ないが、ナトリウム塩素珪酸の含量が高い。電気伝導度(EC)は低く、C/N比は鶏糞や豚糞より高い。緩効性であり、土づくり資材として作付けの一月前に施用される。長期間にわたって持続的に肥料成分を供給する。乳牛の糞を原料とした場合、和牛のそれと比べて肥料成分は高い。島根県によると、牛糞堆肥は基肥としての利用に有利であり、野菜畑には基肥として2t/10a程度施用されることが望ましい[20]。使用上の注意として、牛の飼料には雑草種子が混入している場合があり、発酵が不十分であると、牛糞に紛れていた雑草種子が発芽する。発酵熱による雑草種子や寄生虫卵の死滅には70〜80度程度の温度が必要とされる[24]。腐熟が不十分であると、例えば雑草のメヒシバは50度未満の発酵熱でも96%発芽する[25]。このため、完熟堆肥が用いられる。
  • 豚糞堆肥:多くの場合、窒素分やリン酸といった肥料成分は牛糞堆肥より多く、鶏糞肥料より少ない。炭素量は牛糞堆肥と同程度であり、C/N比はより小さい。ECは牛糞堆肥より大きい[24]。繊維質は牛糞堆肥よりも少なく、比較的微生物に分解されやすい。しかし、鶏糞肥料と比べて緩効性が高い。畑地への施用量は300-500kg/10aが推奨されている[20]。過剰に施用すると肥料当たりが起こる。
  • 馬糞堆肥
動物の排泄物の焼却灰

動物の排泄物または堆肥を焼却した後に得られた灰。焼却により有機物は完全に熱分解されており、焼却灰中に水分や炭素は全く存在せず、窒素成分もほとんど含まれていない。リンと加里は焼却前から濃縮されており、それらの供給源として利用される。灰分を多く含むため、塩基性を示す[20]

  • 鶏糞焼却灰(鶏糞灰):小林ら(2013)[26]によると、鶏糞灰中には牛糞灰中よりもリン酸の全濃度とク溶性濃度、および加里の全濃度が高い。リン酸の肥効率は熔成リン肥過リン酸石灰と同程度である。青森農林総研によると、鶏糞灰はを300ppm以上含む[27]
  • 牛糞焼却灰(牛糞灰):小林ら(2013)[26]によると、鶏糞灰中よりもリン酸濃度は低いが、牛糞灰で育てた小松菜の乾燥重量およびリン酸吸収量は鶏糞灰で育てたものよりも同等以上であった。過リン酸石灰で育てたものよりも乾燥重量が、熔成リン肥で育てたものよりもリン酸吸収量とリン肥効率は有意に高かった。牛糞灰中のリン酸はほとんど可給態であると考えられ、リン酸化学肥料の代替となり得る。
炭化動物糞
  • 炭化鶏糞:土壌改良材として使用される。窒素を2-3%含むが、この窒素分は無機化せず作物へと供給されない。リン酸は9%ほど含まれ、主に遅効性である。加里は8%ほどあり、遅効性と速効性の両方が存在する。亜鉛を600ppm以上含む。10a当たり300kg程度の施用では、土壌での亜鉛の蓄積量は少なく亜鉛の過剰害の心配はない[27]
加工家禽糞肥料
家禽の糞で、農林水産省告示第284号で指定される工程で加工されたものは加工家禽糞肥料と呼ばれ、登録有効期間6年の普通肥料として扱われる[28]。水分は20%以下で、窒素全量およびリン酸全量をそれぞれ2.5%以上並びに加里全量を1.0%以上含む[29]
  • 硫酸等を混合して火力乾燥したもの。
  • 加熱蒸煮した後に乾燥したもの。
  • 熱風乾燥および粉砕を同時に行ったもの。
  • 発酵乾燥させたもの。
グアノ
海鳥の排泄物や死体が風化・堆積して生成されたもの。
  • 窒素質グアノ : 比較的多量の窒素分を含有するグアノ。登録有効期間3年の普通肥料に分類される。窒素質グアノは、雨量が少ない高温多照の乾燥地帯(ペルーチリアルゼンチンなど)、土壌の窒素が流亡しない条件で生じる[30]
  • リン酸質グアノ:降雨により流出した海鳥の排泄物中の成分のうち、リン酸分だけが母岩の炭酸石灰と作用して生じた難溶性のリン酸三石灰が堆積したもの。特殊肥料である[3]
  • バットグアノ;蝙蝠の排泄物と死体が堆積したもの。リン酸が多い。特殊肥料である[3]
尿素
動物から調達された尿素や尿素ホルムアルデヒドは有機農業に適している[31]

鳥獣の加工屑に由来

蒸製蹄角(じょうせいていかく)
動物のまたは角[32]。特殊肥料である。
蒸製蹄角粉
動物の、角またはそれらの加工屑を加圧蒸製(3気圧、180℃、3時間以上)後に粉砕したもの[33]。普通肥料(登録有効期間6年)である。窒素10.0〜14.0%を含む[29]
蒸製皮革粉
製革および皮革加工工場から発生する屑(皮革屑)を加圧蒸製(3気圧、180℃、3時間以上)し粉砕したもの[34]。普通肥料(登録有効期間6年)である。タンニン鞣しのものは6.0〜7.5%、クロム鞣しのものは11.0〜12.5%の窒素を含む[29]
羊毛屑
羊毛を加工する際に発生する屑[32]。特殊肥料である。
牛毛屑
牛の皮を加工する際に発生する屑のうち、毛の屑のみを集めたもの[32]。特殊肥料である。
蒸製毛粉
羊毛屑、クジラの髭、または鳥の羽を加圧蒸製(3気圧、180℃、3時間以上)し、粉砕したもの[35]。普通肥料(登録有効期間6年)である。窒素6.0〜14.0%を含む[29]
発泡消火剤製造かす
蹄角、蒸製毛粉などを原料として生産される化学消火剤の製造かす。特殊肥料である。窒素4〜6%、リン酸1〜2%を含むほか、多量の珪藻土を含む[3]
血粉(乾血)
家畜の血液を加熱凝固させて乾燥させたもの、およびそれを粉末にしたもの[36]。普通肥料(登録有効期間6年)である。血液は家畜屠殺の際に得られる。窒素12%程度を含む[29]
肉かす
食肉加工工程や皮革なめし工程から副産された肉質部を搾油した後に発生した滓[32]。特殊肥料である。
肉かす粉末
廃肉を煮てから脂肪と水分を搾出後、その滓を乾燥粉末にしたもの[37]。廃肉は、食品工場、精肉店、料理屋から、皮革なめし工場の原皮に付着する肉から、あるいは屠殺場で発生する皮脂肪から集められる[29]。普通肥料(登録有効期間6年)である。窒素8.0〜10.0%を含む。
蒸製蹄角骨粉(じょうせいていかくこっぷん)
動物の蹄、角および骨を加圧蒸製後に粉砕したもの[38]、または蒸製蹄角粉と蒸製骨粉を混合したもの[29]。普通肥料(登録有効期間6年)である。窒素6.0%以上、リン酸7.0%以上を含む。

魚の加工屑に由来

有機質肥料の公定規格では魚粕粉末、干魚肥料粉末、魚節煮粕、蒸製魚鱗およびその粉末が普通肥料(登録の有効期間は6年)に指定されている[39]

魚粕(ぎょかす)
魚粕とは、生魚(イワシニシンなど)を水で20-30分間煮た後に油と水を圧搾機で除き、乾燥させたものである。特殊肥料に指定されている。魚粕の原料の入手経路は3つあり、①缶詰や鰹節などの食品工場から発生するカツオやマグロなどの大型魚類の解体残物、②量販店、魚屋、料理屋などで発生する魚食品の残り物、③イワシやアジ、サバなどの鮮魚である[40]。最大の生産地はペルーチリである。2011年現在、これらとエクアドルを加えた3か国から日本の魚粕輸入量の68%は輸入されていた[32]。国内では、静岡県、北海道、千葉県、および鹿児島県が主な生産地である。
魚粕粉末(魚粉
魚粕を、または魚類の加工残渣を乾燥させて粉末にしたもの[41]。普通肥料(登録の有効期間は6年)に指定されている。窒素9〜10%、リン酸4〜6%を含む[29]
魚荒粕
魚粕のうち、骨質部を多く含んだもの[32]。特殊肥料に指定されている。魚粕よりも窒素分と炭素分は少なく、C/N比が大きい。
魚荒粕粉末
魚荒粕を粉末にしたもの。魚粕粉末よりも窒素分は少なく、リン分が多い。
干魚肥料(かんぎょひりょう)
イワシや雑魚などの魚体をそのまま乾燥したもの[32]。特殊肥料に指定されている。
干魚肥料粉末
干魚肥料を粉末にしたもの[42]。主として生イワシを天日乾燥後に粉砕したものを指す[29]。普通肥料(登録の有効期間は6年)に指定されている。
魚節煮粕(うおぶしにかす)
魚節のダシガラ(魚節を煮て出汁を抽出した粕)を乾燥し、窒素全量が9.0%以上となったもの[43]。普通肥料(登録の有効期間は6年)に指定されている。魚節は、例えばうどん屋などの料理店から出る鰹節である。
魚鱗
魚の鱗を集めて乾燥したもの[3]。特殊肥料に指定されている。窒素2〜7%、リン酸2〜18%を含む。
蒸製魚鱗およびその粉末
魚鱗を加圧釜で蒸製した後に加熱乾燥したもの[44]。普通肥料(登録の有効期間は6年)に指定されている。窒素は6.0%以上、リン酸全量18.0%以上を含む。

鳥獣魚の骨に由来

蒸製魚骨粉と蒸製骨以外は普通肥料である。

生骨粉(きこっぷん)
骨を水とともに煮沸して脂肪分を除いた後に乾燥、粉砕したもの[45]。蒸製処理はされていない。普通肥料(登録の有効期間は6年)に指定されている。窒素3〜5%、リン酸16〜20%を含む[29]
蒸製骨
牛や豚などの動物の骨を砕いて加圧蒸製(3気圧、180℃、3時間以上)し、脂肪(骨油)と大部分のゼラチン)を除いた後の滓[32]。特殊肥料である。
  • 脱膠骨(だっこうこつ) : 骨粉からゼラチンを除いたもの。
膠滓(うるしかす)
皮革製品の製造の際に副産されるニベ及びセービング屑から、膠を抽出したかす。窒素4〜5%を含む[3]
蒸製骨粉
蒸製骨を乾燥して粉砕したもの[46]。普通肥料(登録の有効期間は6年)に指定されている。窒素3.0〜4.0%、リン酸17.0〜24.0%を含む[29]
  • 脱膠骨粉 : 脱膠骨を乾燥して粉砕したもの。
蒸製鶏骨粉
生の鶏骨を砕いて加圧蒸製(3気圧、180℃、3時間以上)し、脂肪とゼラチンを除去した後に乾燥・粉砕したもの[47]。普通肥料(登録の有効期間は6年)に指定されている。窒素3.5〜5.0%、リン酸13.0〜21.5%を含む[29]
蒸製魚骨粉
鮫やマグロなどの大型魚の骨を蒸製し、乾燥・粉砕したもの。特殊肥料である。
肉骨粉
屠畜場、水産工場、缶詰め工場および肉加工場から出る廃肉、骨および内臓を集め、その混合物を蒸気で加熱して油脂分を圧搾し、その残り滓を乾燥したもの[48]。または肉粕粉末と骨粉を混合したもの。普通肥料(登録の有効期間は6年)に指定されている。窒素5.0〜9.0%、リン酸5.0〜20.0%を含む[29]
骨炭
空気を遮断した空間で動物の骨を熱分解して炭化させた後に粉砕したもの。活性炭の一種。窒素1.2〜1.6%、リン酸32〜35%を含む[3]
  • 脱色骨炭粉末:製油・製糖工業において脱色剤として用いられた骨炭。
  • 回収骨炭粉末
骨灰
骨を空気の流通下で燃焼したかす。リン酸35〜38%を含む[3]。石灰やケイ酸などを含み、塩基性である[32]

鳥獣以外の陸上動物に由来

干蚕蛹(かんさんよう)
製糸工場から得られるの蛹(蚕蛹)をそのまま(天日)乾燥したもの。特殊肥料に指定されている[32]
干蚕蛹粉末
干蚕蛹を粉砕したもの[49]。普通肥料(登録期間6年)である。窒素7.0〜8.0%、リン酸約1%を含む。乾物中には24〜32%の油脂が含まれている[29]
蚕蛹油粕およびその粉末
蚕の蛹から油をとった粕[50]。普通肥料(登録期間6年)である。窒素9.0〜9.5%、リン酸1.3〜1.5%を含む[29]
絹紡蚕蛹屑(けんぼうさんようくず)
絹糸紡績工場から廃出される絹糸くずや蛹皮、蛹粉を混合したもの。[51]。普通肥料(登録期間6年)である。窒素7〜11%、リン酸0.4〜1.8%を含む[29]
セラック滓
ラックカイガラムシの分泌物からセラックをアルコール抽出し精製する際に生じる残りかす。天然樹脂セラックなど。窒素4%前後を含む[3]

魚以外の水産動物に由来

甲殻類質肥料
甲殻類を乾燥させたもの、またはイカやタコなどの軟体動物の加工滓[32]。特殊肥料である。
甲殻類質肥料粉末
魚類以外および海獣以外の水産動物を処理した肥料で粉末のもの[29]。普通肥料(登録の有効期間は6年)に指定されている。窒素3.0%以上、リン酸1.0%以上を含む。以下の資材を含む[52]
  • カニ殻:難生分解性のキチンを多く含む。土壌微生物の活性化、土壌の団粒化、および保水力の増大に効果があるとされている。ホウレン草の栽培において、カニ殻含有資材を連用すると萎凋病が発生する[53]
  • カニかす
  • エビ殻
  • 干エビ
  • ヒトデかす
  • 塩虫かす
  • シャコ
  • イカかす
  • アミかす
貝殻肥料
貝または貝殻を粉砕したもの、またはその焼却灰(貝灰)。特殊肥料に指定されている。主成分は炭酸カルシウムで可溶性石灰30〜50%を含む。貝の粉末は若干の窒素を含む[3]
  • 牡蠣殻:カルシウムを50%以上含む。窒素、リン、加里はほとんど含まない[3]
貝化石粉末
古代に生息した貝類の粉末、あるいは貝類とヒトデ類その他の水生動物類とが混在して地中に埋没堆積し、風化または化石化したものの粉末。特殊肥料に指定されている。可溶性石灰30〜50%を含む[3]

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