有機資材の利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/26 01:13 UTC 版)
有機資材は植物の成長を促す窒素などの養分を豊富に含むため、何世紀にもわたり農業で肥料として用いられてきた。豚の屠殺で生じる液体肥料は、悪臭を抑えるため、通常、土壌に直接注入される。豚や牛からの厩肥は有機資材散布機(マニュアスプレッダ)を用いて野外に散布される。家畜が食べる牧草は比較的蛋白質含量が低いため、草食動物の糞は肉食動物のそれより悪臭の程度は軽く、例えば象の糞は無臭に近い。しかしながら、野外に投入される有機資材は多量であるため、悪臭がいくつかの農業地帯では問題となりうる。家禽類の糞は新鮮な状態では植物にとって有害であるが、一定期間の堆肥化の後、有益な肥料となる。 乾燥させた動物の糞は歴史上ずっと燃料として用いられてきた。 乾燥牛糞はかつて、また現在もインドのような国で重要な燃料源であり、牛糞ケーキなどの形で使用される。一方、ラクダの糞は砂漠のような木のない地域で用いられている。その昔、オレゴンの開拓路では、開拓民が乏しい薪の代わりに大量の「バッファローチップ」を集めた。それは料理の燃料としたり、砂漠の凍える夜とたたかったり、様々な用途に使われてきた。 その他の用途としては、紙の原料としての利用で、アフリカやアジアでは、象や馬やラマやカンガルーの糞からの紙の生産が地場産業となっている所もある。これらの動物は反芻動物ではなく、それゆえ繊維が糞に未分解のまま排出されやすい。
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