映画では語られなかったいくつかの事実
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 09:54 UTC 版)
「JFK (映画)」の記事における「映画では語られなかったいくつかの事実」の解説
グラシノールの丘に落ちていた歯型の付いた薬莢の存在 劇中でも「グラシノールの丘から撃った人間がいる」という証言の描写があるが、「大統領は自分が撃ち、歯型の付いた薬莢(やっきょう)をグラシノールの丘に置いてきた」という証言をする男が後になって現れた。 映画の原作者であるJFK暗殺事件研究家のジム・マーズは歯型の付いた薬莢の存在を早くから知っていたが、確証が無く映画制作時でもこの事は公にはしていなかった。 見つかった薬莢は「レミントン・ファイヤーボール」という小型のライフル銃の物であり、火薬の量が少し多目の初期型の物であると断定されている。実行犯だと名乗り出た男も「グラシノールの丘からレミントン・ファイヤーボールで大統領を撃った」と証言している。 ケネディ大統領のパレードの護衛を担当していた白バイ警官の無線通話記録に入っていた合計4発に聞える銃声と思しき一発が、日本音響研究所の鑑定により内一発が「レミントン・ファイヤーボール」の銃声に極めて近いとの鑑定結果が出ていた。 短すぎる2発目と3発目の銃声の間隔 白バイ警官の無線通信に記録された4発の銃声は一定の間隔で放たれているが、2発目と3発目の銃声の間だけ2秒以下という非常に短い間隔だった。3発目は2発目の銃声のこだまだとする意見もあるが、それならば1発目と3発目の銃声にもこだまが入っておらねばならず、この理論は成立しない。いかにオズワルドが射撃の名手であろうとも、作りの荒いカルカーノで2秒以下の間隔で弾丸を連射するのはほぼ不可能である。 ケネディの喉と頭部を撃ちぬいた弾丸の方向 ウォーレン報告書では教科書倉庫ビルの6階からオズワルドがケネディを撃ったとされているが、ケネディの喉の銃創の射出口と射入口がほぼ水平に入っていたと検視で明らかになっている。 教科書ビル6階から撃ったとすると、弾の角度はやや上から下に入らねばならず、ケネディが少し前にかがみでもしない限り成立しない角度である。 ザプルーダフィルムを見る限りでも、ケネディは喉を撃ちぬかれる直前は前にかがんでおらず、上半身をほぼ垂直にして座っていた。 また、ケネディの頭部を撃ち抜いた弾はザプルーダフィルムを見る限りでは、「ケネディが後ろの方向に仰け反っているので前方からの射撃」と映画でも主張しているが、弾丸で撃ち抜かれた場合、射入口よりも射出口の傷が大きくなり、射出口の部分の向きとは反対方向に仰け反る場合もあると、実験結果により断定されている。 しかし使用された弾丸がダムダム弾と思われる場合、弾が硬いものに当たった瞬間に砕けるので、その場合は撃たれた方向とは反対に仰け反るとの実験結果も出ている。 コナリー知事の証言 コナリ-知事は「ケネディ大統領の方を振り向いた時には大統領はすでに喉を撃たれており、自分はその直後に撃たれた」と、早い段階から本人の証言があったが、ウォーレン委員会の報告書ではこの証言はついに取り上げられなかった。この証言が事実だとするとケネディ大統領とコナリー知事は別々の弾丸で狙撃されたことになり、ケネディは2発目、コナリー知事は3発目で撃たれたことになり、致命傷となった頭部への銃撃は4発目となる。これらもウォーレン報告書の内容とは矛盾している。 大きく切開されたケネディの喉の傷 パークランド病院で遺体を検視をした関係者の証言によると、ケネディの遺体の喉の傷はそれほど大きくはなく小さい穴が開いていただけであったと証言している。このことから当初は喉の傷は弾丸の射入口だと判断していた。しかし、ベセスダ海軍病院で検視をした検視官の証言によると、ケネディの遺体の喉の傷は大きく切開された跡があると、複数の検視官が証言している。これはウォーレン報告書の通りに、後方からの射撃になるように遺体の傷を捏造したとの説がある。 ケネディの遺体の運送の空白 ダラスのパークランド病院でケネディ大統領の遺体を棺に納めた人物の証言によると、暗殺事件後のケネディの遺体はパークランド病院で検視を受けた後、シーツで包まれ飾り付きの棺に納められワシントンのベセスダ海軍病院へ直接運送されたとある。しかし、ベセスダ海軍病院に到着した棺には飾りが無く、ケネディの遺体はシーツではなく灰色の遺体袋に入れられていた。飛行機の中でケネディの遺体を別の棺と遺体袋に入れ替えたという記録は無く、また、ケネディの遺体の傷の記録がパークランド病院の物とベセスダ海軍病院の物とで食い違いがあることから、ケネディの遺体はダラスからワシントンに運ばれるまでに一度別の場所に運ばれ、遺体になんらかの処置を施した後、ベセスダ海軍病院まで運ばれたのではないかとの疑惑がある。 教科書ビル6階に指紋を残した男 教科書ビル6階を捜査したときに、オズワルドやビルの従業員のものではない人間の指紋が検出されていた。その指紋はジョンソン大統領と親交のあった男のものと後に断定されている。
※この「映画では語られなかったいくつかの事実」の解説は、「JFK (映画)」の解説の一部です。
「映画では語られなかったいくつかの事実」を含む「JFK (映画)」の記事については、「JFK (映画)」の概要を参照ください。
- 映画では語られなかったいくつかの事実のページへのリンク