旧市街と新都心
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 05:23 UTC 版)
「フランクフルト・アム・マイン」の記事における「旧市街と新都心」の解説
旧市街アルトシュタットと街の中心イネンシュタット 他のドイツの大都市同様フランクフルトの街の様子は第二次世界大戦で大きく様変わりした。それは爆撃による甚大な被害とそれに続く近代的な復興によるもので、旧市街中心部の街並みも他の古い大都市のそれとは異なり、自動車優先の道路網や近代建築で構成されるものとなった。 かつての、中世盛期以後戦禍や大火の被害を受けなかったドイツ最大の稠密な旧市街は、もうわずかにしか残されていない。約 3,000棟の木組み建築の中で無傷のまま遺されているのは、ファール門近くのヴェルトハイム邸 1棟だけである。19世紀半ばから第一次世界大戦までの間には、すでに新しい貫通道路の建設(ブラウバッハ通り)や区画全体の解体(ユーデンガッセ)が行われていた。歴史的な旧市街の遺構は、ドイツで最も有名な都市広場の一つであるレーマーベルク付近でしか見ることはできない。 アルトシュタット区(直訳すると「旧市街」区)の区境に沿って 12世紀に建造された市壁、いわゆるシュタウフェンマウアー(シュタウフェン時代の壁)があった。この壁は、現在のノイエ・マインツァー通り - カイザー通り - ロスマルクト - ツァイル - クルト・シューマッハー通りにおおむね沿って建造されていた。アルトシュタットには、フランクフルト大聖堂や有名なパウルス教会がある。17世紀のフランクフルトの姿を詳細に描いたマテウス・メーリアンの版画がある。 現在のイネンシュタット区(直訳すると「内市街」区)は、1333年からノイシュタット(直訳すると「新市街」)として拡張された旧市街の一部で、19世紀に大規模な改造を受けた。17世紀から旧市街を囲んでいた大きな堡塁を持つバロック様式の都市防衛施設は取り壊され、堡塁の鋸歯型の遺構は旧市街を取り囲む環状の公園施設に造り替えられ、フィッシャーフェルトが建設された。都市プランナーのゲオルク・ヘスは新しい建築物を印象づけるような規則を設けた。施主に対して古典主義様式を採用するよう要求したのである。フランクフルト古典主義建築の例として、1820年から1825年に建設され1944年に一部が破壊された旧市立図書館が挙げられる。この建物は2005年に「文学館」として元の姿に復元された。鋸歯状施設内を巡る遊歩道には建造物を建設することは、1827年のヴァルゼルヴィトゥート(ドイツ語版)と呼ばれる条例によって禁止された。この規則は、市が認可したいくつかの例外(アルテ・オーパー、シャウシュピールハウス、ヒルトンホテルなど)を除いて、現在も遵守されている。 1678年から1681年にツァイルの入口に建設されたバロック様式のカタリーナ教会は、ゲーテの一家と親密な関係にあった。現在この教会はフランクフルト最大のプロテスタント教会である。 19世紀末にハウプトヴァッヘは市の中心地へと発展した。ツァイルは中央オフィス街となった。21世紀になると、フランクフルトはツァイルをショッピング街にする大規模な再開発を行った。エッシェンハイム門とツァイルとの間にあった1956年に建設されたフランクフルトで最初期の高層ビルであるフェルンメルデホーホハウスを解体し、その跡地および周辺を再開発するというものである。2009年2月にテレコムの跡地にショッピングセンター MyZeil がオープンした。また、オフィスとホテルが入った2棟の高層ビルが建設された。さらに、1737年から1741年に建設され、1944年に破壊されたトゥルン・ウント・タキス宮殿が元の姿とほぼ同様に復元された。これらパレー・クヴァルティーアと名付けられた一連のプロジェクトは、2010年半ばに完了した。そのすぐ北側の場所では、1953年に建設されたフランクフルター・ルントシャウの社屋であるルントシャウ=ハウスが解体され、住宅およびオフィス用地とされた。2.25ヘクタールの広さのこのエリアは、ラボ・リアル・エステート・グループ傘下のオランダのデベロッパー MAB によって再開発がなされた。 より新しい再開発としては、2010年の大聖堂とレーマーベルクとの間のフランクフルト市技術局の解体がある。ドーム=レーマー=プロジェクトの一環で、ここには旧市街の歴史的背景を踏まえた約 40棟の建物が建設され、少なくともそのうちの 8棟は元の姿に忠実な木組み建築で復元されることとなっている。
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