日本語の音節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 18:47 UTC 版)
日本語では、閉音節は「ん」(鼻母音で発音される「ん」を除く)および「っ」で終わる音節だけで、あとは開音節である。標準的な日本語では、例えば仮名1文字「あ・か・さ・た・な」 /a/ /ka/ /sa/ /ta/ /na/のように「子音+母音」の開音節を基本とする。但し、長音、促音、撥音(ん)だけは、音節区切りでは、前の音といっしょに数える。日本語#音韻に標準的な日本語で表記での音節の一覧表がある。 特殊な開音節の拗音節「きゃ・きゅ・きょ」 /kya/ /kyu/ /kyo/などは仮名2文字で1モーラ1音節である。 また、閉音節の「ん」を含む撥音節と閉音節の「っ」を含む促音節は、単独でモーラを構成し、前置された仮名との2文字で2モーラ1音節である。詳細は捨て仮名を参照。 「かあさん」「にいさん」のような長音や長音符の「ー」で示される長音は、日本語では音声学的には長母音である。これも仮名または符号と前置された仮名との2文字で2モーラ1音節である。 また、「ん?」、「んだ」、「ん万円」などのように「ん」が語頭にある場合は「ん」だけで1つの音節を構成し、この場合、「ん」は鼻母音に発音されない限り(即ち子音である限り)「音節主音的」な子音である。 ネイティブの日本語話者には、音節よりもモーラのほうが直感的単位である(たとえば、詩の「七五調」や「五七調」はモーラで数えている)。 音節、モーラ方言(拍)、シラビーム方言(音節音素)比較の例単語音節区切り(音声学上の単位) モーラ(拍)方言での区切り(いわゆる東京弁。現代の俳句や短歌での「七五調、五七調」の数え方) シラビーム(音節音素)方言での区切り(東北方言などに見られる) さる(猿) サ|ル サ|ル サ|ル かっぱ(河童) カッ|パ カ|ッ|パ カッ|パ チョコレート チョ|コ|レー|ト チョ|コ|レ|ー|ト チョ|コ|レー|ト がっこうしんぶん(学校新聞) ガッ|コー|シン|ブン ガ|ッ|コ|ー|シ|ン|ブ|ン ガッ|コー|シン|ブン がっきゅうしんぶん(学級新聞) ガッ|キュー|シン|ブン ガ|ッ|キュ|ー|シ|ン|ブ|ン ガッ|キュー|シン|ブン かんそく(観測) カン|ソ|ク カ|ン|ソ|ク カン|ソ|ク かあさん(母さん) カー|サン カ|ー|サ|ン カー|サン にいさん(兄さん) ニー|サン ニ|ー|サ|ン ニー|サン また、日本語では語末などで無声化して聞こえない母音が現れることも多い(例えば、「です」が des、「ました」が mashta のように聞こえるなど)が、モーラ数に変化はない(des は2モーラ、mashta は3モーラ)。日本語を外国語として習った者が「ました」と言うとき、日本人の耳に違和感が生じることがあるのは、日本人が無意識に mashta とするところをきちんと mashita と発音しているからである。 日本語の中には、近畿方言のように声調言語としての特徴があり、声調を加えて音節を考えるべきものもある。
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