日本国憲法第24条
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日本国憲法第3章にある条文で、「家庭生活における個人の尊厳」と「両性の本質的平等」について規定している。
(にほんこく(にっぽんこく)けんぽうだい24じょう)は、注釈
- ^ 当裁判所が、本件規定が、憲法24条又は13条に違反するかについて検討したところの要旨は次のとおりである。
(1) いわゆる婚姻をするについての自由は、憲法24条1項の規定の趣旨に照らし、十分尊重に値するものと解することができる。しかしながら、現行民法への改正や憲法が制定された戦後初期の頃においても、同性愛は精神疾患であるとされており、同性婚は許されないものと解されていた。このような経過に加え、憲法24条が「両性」など男女を想起させる文言を用いていることにも照らせば、同条は異性婚について定めたものであり、同性婚について定めるものではないと解するのが相当である。
(2) また、婚姻及び家族に関する事項の個別規定である憲法24条2項は、具体的な制度の構築を第一次的には国会の合理的な立法裁量に委ねたと解される。その趣旨を踏まえて解釈するのであれば、包括的な人権規定である同法13条によって、同性婚を含む同性間の婚姻及び家族に関する特定の制度を求める権利が保障されていると解するのは困難である。実質的にも、同性婚という具体的制度の内容を、憲法13条の解釈のみによって直接導き出すことは困難である。
(3) したがって、本件規定が、憲法24条及び13条に違反すると認めることはできない。[6]
出典
- ^ 民法改正を考える会『よくわかる民法改正―選択的夫婦別姓&婚外子差別撤廃を求めて』朝陽会、2010年
- ^ 平成27年12月16日 大法廷判決、平成26年(オ)第1023号。
- ^ 『戦後日本女性政策史: 戦後民主化政策から男女共同参画社会基本法まで』p87、神崎智子、2009年
- ^ [1]ワイマール憲法(日本語訳)
- ^ 同性婚求め13組が一斉提訴 一般社団法人共同通信社 - 2019年2月14日
- ^ “【判決要旨全文】「同性婚できないのは憲法違反」札幌地裁が日本初の判断”. ハフポスト (2021年3月17日). 2021年3月17日閲覧。
- ^ 『同性婚と国民の権利』憲法学者・木村草太さんは指摘する。「本当に困っていることを、きちんと言えばいい」(2017年5月3日、ハフィントン・ポスト)
- ^ 君塚正臣「Baehr v. Miike」アメリカ法 1998年 (1), 94-98, 1998-07-00 日米法学会
- ^ 同性婚と憲法改正
- ^ 同性婚の問題が日本の安全保障にとってとても重要なワケ(2015年6月28日、The New Standart)
- ^ 青森の女性カップルが婚姻届、市は憲法根拠に不受理web東奥
- ^ 植野妙実子「第二十四条家族の権利と保護」『法学セミナー』545号
- ^ 日本の家族観に基づく法判断を 麗澤大学教授・八木秀次
- ^ 渋谷区「同性パートナー条例」成立にある懸念点
- ^ 辻村みよ子『ジェンダーと人権』(日本評論社,2008)250頁
- ^ 日本国憲法第24条と同性婚
- ^ 『LGBT 同性婚』 憲法24条 法の下の平等は
- ^ 同性婚と憲法24条の解釈に関する報道について【要請】 LGBT支援法律家ネットワーク有志
- ^ “同性婚を認めない規定は「違憲」 札幌高裁判決 初めての高裁判断:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2024年3月14日). 2024年3月17日閲覧。
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- 2 日本国憲法第24条の概要
- 3 条文
- 4 関連条文
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