日本国外における類似の料理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 04:34 UTC 版)
「もつ煮」の記事における「日本国外における類似の料理」の解説
日本国外においても、もつ煮に類した料理は、大衆料理や郷土料理として、伝統的に世界中で食されている。肉食文化において内臓はおおむね安価であるが独特の臭いがあり、それを抑えるため、ワインやトマト、ニンニク等で煮込まれることが多い。 イタリアには「トリッパ」(trippaという語句自体が胃という意味がある)というトマトをベースにした味付けで牛の内臓を煮込む料理がある。フランスでは内臓全般をトリップと呼び、一般的な食材とする。アンドゥイエットのように豚の腸に詰めてソーセージのようにするほか、トリプーやカン風トリップのように煮込み料理にもされる。スペインにはカジョスもしくはカリョス(callos)と呼ばれる牛の胃を赤ワインで煮込んだ料理がある。ポルトガルのポルトには仔牛の内臓や豚の耳と白インゲンを煮込んだトリパス(tripas)と呼ばれる郷土料理がある。エンリケ航海王子がセウタ攻略に際して市民から食糧の供出を求め、市民は内臓のみでしのいだという故事にちなみ、ポルト市民には「モツ食い」 (Tripeiros) という愛称があり、FCポルトの愛称にも採用されている。また、トルコやギリシャ、ブルガリアなどのバルカン半島周辺の地域では、牛の胃壁を煮込んだ料理がある。それぞれの言語によって呼び名は異なり、トルコ語ではイシュケンベと呼ばれる。 アメリカ合衆国においては、アフリカ系アメリカ人の伝統文化として、豚や牛の内臓を煮込んだ料理がソウルフードとして食べられている。チタリングス(Chitterlings)とは豚の腸のことであるが、煮込み料理そのもののことを指すこともある。また南米のペルーには「カウカウ (CAUCAU) 」という牛のハチノスを使った料理があり、主に朝食で食される。 中国においては、牛の内臓を煮込んだ「牛雑」があり、香港などの屋台ではジャンクフードとして販売されている。臭み消しとして味の濃い醤が使われる。 内モンゴルにおいては羊の内臓を煮込んだ羊雑碎(ヤンザースイ)という料理がある。 リヴォルノ風トリッパ。イタリア・トスカーナ地方の郷土料理。牛ハチノスのトマト味煮込み。 カン風トリップ。フランス・ノルマンディー地方の郷土料理。 カジョス。スペインの料理。トマト、タマネギと一緒に牛ハチノスをワイン煮込みにしたもの。 チタリングス。アメリカ・アフリカ系アメリカ人の伝統料理。→ソウルフード (アフリカ系アメリカ人) ギリシャのパツァス。同様の料理は周辺のトルコやセルビア、ブルガリア、マケドニア共和国などにも見られる。 中国の牛雑河粉。ライスヌードルの具としてもつ煮が用いられたもの。
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