日本国外における木炭車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 09:10 UTC 版)
「木炭自動車」の記事における「日本国外における木炭車」の解説
日本国外では炭素燃料のガス化 (en:Gasification) を利用して燃料を取り出し、これを利用して動作するエンジンを総称してen:Wood gas generatorと呼んでいる。古くは日本の木炭バスよりも先行して、第一次世界大戦期から定置式ガス発生装置の技術を活用してヨーロッパ各国で自動車に導入された。フランスは第一次大戦後も木炭ガス自動車の開発に熱心であり、1926年には自動車税半額減免、1928年以降は自動車税免除と補助金交付を実施するなどの手段で、木炭ガス車の平時の普及に努めていた。 第二次世界大戦中も純粋な石油事情の悪化からこのような機関は、ドイツなどの枢軸国側の国家のみならず、フランスやイギリスなどの連合国、スウェーデンなどの中立国でも広く用いられた。 1950年代以降は燃料事情の改善により多くの国で廃れたが、近年では趣味の一環で自作される例が生じている。 アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁 (FEMA) は、将来的に石油が枯渇した場合や第三次世界大戦などの破局的な戦争や災害が発生した場合に備え、1989年にオークリッジ国立研究所に高出力の新型木炭ガス発生装置の研究を依頼している。 北朝鮮においては、化石燃料不足の影響もあり、多くの木炭バスおよび木炭自動車がいまだに現役である。 第二次世界大戦末期のドイツ第三帝国で製作された、アドラー・ディプロマート(英語版)の改造木炭車。薪炭荷台を屋根上に作る事例は乗用車やバスでまま見られた フォード製トラクターに木炭ガス発生装置を取り付けた事例 フィンランドにおける、サーブ・99にトレーラー式木炭ガス発生装置を取り付けた事例 朝鮮人民軍が軍用トラックとして運用する木炭車仕様の勝利58(GAZ-51(英語版)) 朝鮮民主主義人民共和国江原道高城郡で2008年に撮影された木炭トラック ソビエト連邦で1943年に設計された木炭車仕様のGAZ-AA 1941年にスウェーデンで製造されたスカニア-ヴァビスのスカニア-ヴァビス・335(英語版)木炭車仕様。335型は本来は直列6気筒であるが、木炭車仕様のみ直列8気筒が採用されている 1935年に木炭ガス仕様に改造されたドゥーツ(英語版)製XIV R型ディーゼル機関車(1917年製造2692号車、バイエルン鉄道博物館所蔵) 2011年、ボンネビル・ソルトフラッツにて自動車の速度記録に挑んだ木炭車仕様の1991年式ダッジ・ダコタ。「木質ガスの魔術師」の異名を持つウェイン・キースが手がけたこの車両は公式計時で時速71マイル(114km/h)を記録し、それまでの木炭車部門の速度記録46マイル(71km/h)を大幅に更新した。 アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁による木質ガス発生装置の制作手順を記した技術資料
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