日本の砕氷船
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 04:57 UTC 版)
千島列島や南樺太を領有していた大日本帝国時代から、日本は砕氷船を配備していた。 日本には海上保安庁に2隻、海上自衛隊に1隻、民間会社の流氷観光船に計3隻配備されている。海上保安庁に配備されている砕氷船は、春先のオホーツク海の流氷により閉ざされた氷海域の航路啓開と、平時の警備救難活動を任務としており、航路啓開のエースとして活躍する「PLH そうや」と、「そうや」が入れない浅い海域と港湾内の航路啓開を任務とする「PM てしお」の計2隻である。海上自衛隊に配備されている砕氷船は、南極観測隊の輸送に使われる砕氷艦「しらせ」である。 PL107 「宗谷」は1978年までの現役時は海保最大の船であり、また1956年から1962年まで初代南極観測船を務めた、世界初の砕氷ヘリコプター母船である。初代「しらせ」はましゅう型補給艦が竣工するまでは海自最大の自衛艦であった。 大日本帝国海軍の砕氷船 大泊:1949年解体 特務艦 宗谷:戦後、海上保安庁に移籍 鉄道省(稚泊連絡船)の砕氷船 亜庭丸:1945年、米軍の攻撃を受けて沈没 宗谷丸:1965年解体 樺太航路の砕氷船(民間船) 高島丸:日本郵船の砕氷船。1944年に米軍の攻撃を受けて沈没。 白陽丸:大阪商船の砕氷船。1944年に米軍の攻撃を受けて沈没。 海上保安庁の砕氷船 PL107 「宗谷」(旧大日本帝国海軍特務艦、灯台補給船を経て巡視船に。船の科学館にて保存展示) PLH01「そうや」(第一管区釧路海上保安部) 砕氷能力: 連続砕氷1.0m/3ノット 建造:1978年 総トン数:3,139t 全長:98.6m 全幅:15.6m 出力:15,600馬力 速力:21ノット 航続距離:5,700海里 武器:40mm単装機関砲×1、20mm単装機関砲×1 搭載ヘリ:ベル 212×1 最大乗員:69名 PM15「てしお」(第一管区羅臼海上保安署) 砕氷能力:連続砕氷0.5m/3ノット、最大0.75m 建造:1995年 総トン数:563t 全長:54.8m 全幅:10.2m 出力:3,600馬力 速力:14.5ノット 武器:20mm機関砲×1 最大乗員:35名 海上自衛隊の砕氷船 砕氷艦「ふじ」(連続砕氷1.0m/3ノット、退役。名古屋港ガーデンふ頭にて係留。南極観測に関する博物館として一般公開) 砕氷艦「しらせ」(連続砕氷1.5m/3ノット、現在、WNI気象文化創造センターが所有する気象観測船SHIRASE) 砕氷艦「しらせ」(2代)(連続砕氷1.5m/3ノット) 観光砕氷船 北海道には、流氷観光用の砕氷船がある。 網走流氷観光砕氷船(網走市)道東観光開発「おーろら」 網走流氷観光砕氷船(網走市)道東観光開発「おーろら2」(2022年3月21日引退) 紋別流氷観光砕氷船(紋別市)「ガリンコ号II」「ガリンコ号ⅢIMERU」
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