日本における栽培品種
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「セイヨウナシ」の記事における「日本における栽培品種」の解説
ラ・フランス ル レクチエ ゼネラル・レクラーク 品種数は非常に多く、ヘドリック著『The Pears of New York』(1921年)では2900品種が紹介されている。現在では4000品種ほど存在するとみられるが、日本で栽培されているものは、稀少なものも含め20品種程度である。 ラ・フランス 生産量のおよそ7割を占めており、日本における洋なしの代表格である。収穫時期は10月上旬 - 中旬。1864年にフランスで発見された品種だが、気候が合わなかったためにヨーロッパでは現在ほとんど栽培されていない。外観は悪いが、味と香りが良い。追熟による果皮色の変化が小さく分かりにくい。 バートレット(Bartlett pear) 生産量第2位。(ただし2位以下は僅差)8月下旬 - 9月初めには収穫され、9月中旬には食べ頃になる早生種。17世紀にイギリスで発見された品種。日本で生産されている品種としてはかなり縦長の形状である。 レッドバートレット バートレットの表皮が赤色の物。味は変わらない。 ル レクチエ(Le Lectier) 生産量第3位。1882年、フランスでバートレットとフォーチュニーを掛け合わせて作られた品種とされていたが、遺伝子解析の結果、異なることが判明している。しかし、正しい掛け合わせは不明。甘く、香りも強い。また、果皮に「さび」が少なく外観が美しいのも特長。大半が新潟県で生産され、中でも新潟市南区で最も収穫量が多い。追熟におよそ40日間かかるため、10月中旬 - 下旬頃に収穫した後、市場に出回るのは11月下旬以降となる。傷む直前が最も美味しくなるため、常温の室内に置き香りを楽しみつつ食べ頃を見計らう。主産地である新潟県において「ル レクチエ」という名称で統一することが決められているが、「ル・レクチェ」などと小さい「ェ」や中黒区切りの表記もしばしば見られる。 シルバーベル 収穫時期は遅めの10月下旬頃。1957年に山形県園芸試験場で選抜された、ラ・フランスの自然交雑実生。ラ・フランスよりやや細長い形状で、若干酸味が強い。 ゼネラル・レクラーク フランスで発見された、ドワイエネ・デュ・コミスの自然交雑種。果皮のさびが若干多いが、果汁が多く、甘味・酸味ともに濃厚である。主要生産地として青森県南部町が挙げられる。 オーロラ 9月初めには収穫され、食べ頃になる早生種である。米国ニューヨーク州農業試験場が、マルゲリット・マルーラと、バートレットを交配して作り出した品種。命名は1964年。表面の大部分が褐色のさびに覆われる。 マルゲリット・マリーラ 9月初めには収穫され、食べ頃になる早生種である。1874年にフランスで発見された品種で、名前は発見者から。500g以上となる大型の品種であり、1kg近くになることもある。酸味が少なく、果汁が多い。 ドワイエネ・デュ・コミス(Doyenné du Comice) ドワイエンヌ・デュ・コミスもしくはドゥワイエンヌ・デュ・コミスとも。ヨーロッパにおいて高級品種とされている。品質は良いが栽培が難しいため、日本でも生産量は非常に少ないく、「幻の西洋梨」とも呼ばれる。ヨーロッパでは秋に収穫され1月まで市場に出回る。 ブランデーワイン 表皮は、青色。大きさは、比較的小振り。略称は、「ブランデー梨」など。 バラード 山形園芸試験場で、ラ・フランスとバートレッドを交配させてできた品種。大玉で、ラ・フランスのような風味を持つ。 エル・ドラド 米国カリフォルニア州エル・ドラド郡で、バートレッドの自然交雑実生より発見される。甘みが多く、南国フルーツのような香りがする。 パスクラサン パス・クラサーヌとも。ヨーロッパで成功した樹木栽培種の一つ。マルメロに接ぎ木して作られる。日本では主に岡山県で生産されている。 テイラーズゴールド(Taylors Gold) ラフランス同様の短粒種で、茶色系のラセットタイプだが皮ごと食べられる。ニュージーランドで発見された品種。
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