自然交雑種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/12 02:23 UTC 版)
エビネ類は自然交雑種が多い。日本ではエビネ・キエビネ・キリシマエビネ・ニオイエビネは相互に交配可能であり、雑種個体も種子を作る能力がある。これらが混生している地区では純粋な個体を探すほうが難しいほどである。一方、サルメンエビネは遺伝的にやや遠縁のようで、交雑種の稔性が良くない。そのため雑種個体が子孫を残すことも少ないようで、サルメン系の交雑種は自然界では稀である。 どのような血が混じっているか類推できる交雑種には、親の組合せによってそれぞれ名前がつけられている。代表的なものとしては、以下のようなものがある。 タカネ:エビネとキエビネの自然雑種と考えられている。両種の中間のさまざまな姿を取る。全体にエビネに似るが唇弁は黄色い、というものが多い。 ヒゴ:キエビネとキリシマエビネの雑種。花は大きく、黄色を帯びるが、紫っぽい色が乗ったり、ややうつむいて咲いたりする。 ヒゼン:エビネとキリシマエビネの雑種。 サツマ:タカネ(エビネ・キエビネ)とキリシマエビネとの雑種。色彩に微妙な色合いのものが多い。花形も派手。 コオズ:エビネとニオイエビネの雑種。花は両者の中間に出るが、匂いが強いものが多い。 イシズチ:エビネとサルメンエビネの雑種。唇弁はやや裂け、赤い色が強く出る。 実際には、どのような血が入っているか判然としない個体が多いので、「タカネ系」「コオズ系」というように漠然とした括りで語られることが多い。
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自然交雑種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 17:40 UTC 版)
分布域の重なるツボウツボカズラ N. ampularia はより湿潤な林を好むが、同じ場所に生育していることもあり、自然交雑種としてフッカーウツボ N. ×hookeriana がある。形態的には両者の中間的である。捕虫袋はやはり2形を示し、下部のものは壺型、よく発達した翼があるが、その縁は縁毛のある型から細かな鋸歯のあるものまで変異が多い。上のものは漏斗型。ボルネオ、スマトラ、マレー半島で自生が知られている。 フッカーウツボ下部の袋 同・上部の袋 地上に並んだ袋
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