エル・ドラドとは? わかりやすく解説

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エル‐ドラド【(スペイン)El Dorado】

読み方:えるどらど

16世紀探検家たちが南アメリカアマゾン川上流奥地にあると想像した黄金郷転じて理想郷の意にもいう。


エルドラド

作者ヴォルテール

収載図書ユートピア旅行記叢書 第11巻 トログロディット人の寓話
出版社岩波書店
刊行年月1997.5


エルドラド

作者ドリス・レッシング

収載図書首長の国―ドリス・レッシングアフリカ小説集
出版社作品社
刊行年月2008.4


エルドラド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/31 13:48 UTC 版)

エルドラド(El Dorado)




「エルドラド」の続きの解説一覧

エル・ドラード

(エル・ドラド から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/02 07:05 UTC 版)

地図にも描かれた「エル・ドラード」"Lac ou Mer de Parime" と記載された湖の左側に"Manoa o el Dorado"と記載
エル・ドラード伝説の基とされる黄金の儀式を模した装飾品(コロンビアボゴタ黄金博物館所蔵)

エル・ドラード西:El Dorado)とは、南アメリカに伝わる黄金郷(おうごんきょう)にまつわる伝説である。転じて、黄金郷自体や理想郷を指す言葉としても使用される。大航海時代ヨーロッパ、特にスペイン人の間で広まり、新大陸進出の動機の一つとなった。

概要

エル・ドラードとはスペイン語で「金箔をかぶせた」、または「黄金の人」を意味し、16世紀頃までアンデス地方に存在したチブチャ文化スペイン語版ムイスカ文化)の儀式が基になっている[1]

この地方ではの採掘と装飾技術が発達し、コロンビアの首都ボゴタより北に57キロメートルの所に、山に囲まれたきれいな円形の湖がある[2]。 このグアタビータ湖では、その土地の首長が全身に金粉を塗り儀式を行う風習をもっていた[† 1][3]

大航海時代スペインコンキスタドール達がこの噂を聞き、この話に尾ひれがついて、アマゾンの奥地には黄金郷があるという伝説となった。また、スペイン人たちは当時黄金並みに価値があったシナモンの木がエルドラードの土地に自生しているとも信じていた[4]

エルドラード発見を目指した探検家たちは、死亡、飢え、共食い、発狂、破産などの状況に陥った[5]

歴史

1561年、ロペ・デ・アギーレ英語版は探検を続けた結果「報告は誤りだからだ。あの川には絶望しかない」という言葉を残した[6]

エル・ドラード伝説の噂はドイツにまでおよび、噂から端を発した推測から、1500 年代後半にはパリメ湖またはパリマ湖のほとりにあるマノアと呼ばれる都市がエル・ドラードと解釈された地図が作成され、数々の探検隊が黄金を求めて南米大陸へと渡った。

アウクスブルクの豪商ヴェルザー家アンブローズ・オルフィンジャー英語版なる人物を南米に送り込んだ。彼はコロンビアのマグダレナ河を一年間に渡って探索したがエルドラードを発見することはできず、新たにコロに向かったがそこで先住民に殺害されてしまった。ドイツ人のゲオルク・フォン・シュパイヤー英語版はエルドラドを発見するために南米大陸を1500マイルに渡って探査した。1541年フォン・シュパイアーの部下で騎士のフィリップ・フォン・フッテン英語版は黄金像を求めてグアレビータ河に近いオマグア・インディアンの町を襲撃したが反撃を受けて重傷を負った。フォン・フッテン以降ドイツ人による黄金郷探索は下火になった[7]

イギリス人では1617年ウォルター・ローリーが探検に向かったが、成果を上げられず、1618年にジェームズ1世によって斬首刑に処された[8]

最後の儀式は16世紀初頭に行われたが、この伝説はその後も約300年間、ヨーロッパ人の間で語られた。18世紀後半まで世界地図にも描かれ、実在が信じられていた。しかし19世紀初頭、アレクサンダー・フォン・フンボルトによってアンデスやアマゾンが調査され、地図上からは消し去られた。

1801年、アレクサンダー・フォン・フンボルトもこの湖に立ち寄り、ムイスカ族とグアタビータ湖に関する記録を残している[9]

湖の現在

現在、グアタビータ湖の黄金探査は政府により禁止されている[10]。 この湖は標高3100メートルという高地に位置し、多くの珍しい動植物を観察できる。しかし、余りに多くの人がハイキングやキャンプに訪れ、環境破壊が深刻化した。そのためにクンデナマル県の地域自治団体は2002年に湖周辺への立ち入りを禁止した。 3年後の2005年、状況の改善に伴い一定の条件の下で観光客の受け入れを再開した[† 2][11]。 2006年5月、地域自治団体の職員が、観光道の補修をしていた時、地表からわずか15センチメートル下から素焼きの器に入った黄金製品を見つけたというニュースが報じられた[11]

ただし、ヨーロッパ人が想像したエル・ドラードではなかったが、コロンビアには前述のチブチャ文化以外にもかつてはキンバヤ文明スペイン語版英語版タイロナ文化、シヌー文化が繁栄し、またペルーにはチャビン文化を継承した北海岸のモチェ文化シカン王国チムー王国に見事な製品を生み出した技術が存在していたことが明らかになっている。

脚注

注釈

  1. ^ この地方にはムイスカ族が住んでいた。その新たに族長になった者が即位式で体に松脂を塗り金粉をまぶし「黄金の人(エルドラド)」となった。そして、族長は神官と共に筏で湖の中心に進み奉納品を湖の底に沈め、その後で自らも水中に入り、浮かび上がってくるという儀礼を行っていた。この儀礼の様子が1636年にボゴタ生まれのスペイン人ファン・ロドリゲス・フレイレによって記録されている。
  2. ^ 少人数ごとに地域自治団体のガイドが同行するグループツアーのみとなり、出発前に環境保全の為の説明が行われるようになった。また、観光インフラの整備、駐車場施設、受付、トイレやムスイカ族が儀礼を行った建物も建設された。

出典

  1. ^ ダグラス・プレストン『猿神のロスト・シティ 地上最後の秘境に眠る謎の文明を探せ』NHK出版、2017年、235頁。ISBN 978-4-14-081716-2 
  2. ^ 二村久則編集『コロンビアを知るための60章』 明石書店 <エリアスタディーズ90> 2011年 76ページ
  3. ^ 二村久則編集『コロンビアを知るための60章』 明石書店 <エリアスタディーズ90> 2011年 76-77ページ
  4. ^ グラン(2010年)p.164
  5. ^ グラン(2010年)16,167ページ
  6. ^ グラン(2010年)p.16
  7. ^ ボイス・ペンローズ(1985)、p.138
  8. ^ グラン(2010年)p.167
  9. ^ 二村久則編集『コロンビアを知るための60章』 明石書店 <エリアスタディーズ90> 2011年 77ページ
  10. ^ 二村久則編集『コロンビアを知るための60章』 明石書店 <エリアスタディーズ90> 2011年 78ページ
  11. ^ a b 二村久則編集『コロンビアを知るための60章』 明石書店 <エリアスタディーズ90> 2011年 79ページ

参考文献

  • ペンローズ, ボイス『大航海時代』荒尾克己 訳、筑摩書房、1985年9月。 新版・ちくま学芸文庫、2020年12月
  • グラン, デイヴィッド『ロスト・シティZ』近藤隆文 訳、NHK出版、2010年6月。 

関連項目


エル・ドラド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 22:54 UTC 版)

アンチャーテッドシリーズ」の記事における「エル・ドラド」の解説

UC』のストーリー語られるアンデス山脈に伝わる黄金郷まつわる伝説で、エルドラドは「黄金の人」の意味作中では黄金郷ではなく前述黄金の人に関連した豪華絢爛な像となっている。そして手に入れようしたものには呪いがかかるという。『UC』はこの「エル・ドラドの秘宝」巡り物語進行していく。

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エル・ドラド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 01:10 UTC 版)

セイヨウナシ」の記事における「エル・ドラド」の解説

米国カリフォルニア州エル・ドラド郡で、バートレッドの自然交雑実生より発見される甘み多く南国フルーツのような香りがする。

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エル・ドラド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/27 04:01 UTC 版)

惑星ゾラ」の記事における「エル・ドラド」の解説

第18話19話の舞台となった場所。船出したエルチ・カーゴがここでエル・コンドル拾われる中南米似た遺跡があり、石油と緑がある場所だが、ここに住むコンドル家がイノセント横暴に立ち向かったため、イノセント支援受けられなくなり人々よそ者イノセント援助断ち切ったコンドル家を嫌っていた。

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エルドラド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/05 05:26 UTC 版)

サイバーナイトII 地球帝国の野望」の記事における「エルドラド」の解説

うお座54第2惑星伝説宇宙海賊、キャプテン・パイクの財宝があると噂される。

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エルドラド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 08:33 UTC 版)

Neo ATLAS」の記事における「エルドラド」の解説

大航海時代スペイン伝わったアンデス地方にあるとされた黄金郷言い伝えエル・オンブレ・ドラドがモデルとされている。

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エルドラド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 06:13 UTC 版)

イナズマイレブンGO」の記事における「エルドラド」の解説

200年後未来世界における普通の人間の最高意思決定機関SSC脅威苦しめられており、彼らの存在しない歴史作り出すため、ルートエージェント様々な指令与えていた。

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エルドラド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/16 14:15 UTC 版)

ねじまきジャック」の記事における「エルドラド」の解説

オズの国取り囲む砂漠存在する幻の遺跡で、金銀財宝隠されているといわれる古代要塞モデル伝説の都、エル・ドラード

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エルドラド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 17:07 UTC 版)

magico」の記事における「エルドラド」の解説

魔法の家。自由自在に出したりしまったり出来る。

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エルドラド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 23:42 UTC 版)

アルトゥーナ (ペンシルベニア州)」の記事における「エルドラド」の解説

エルドラドは地元ではエルドレイドと発音されローガン大通の南と6番街の西にあるアルトゥーナでは南の地区である。シーツ本社がこの地域にある。一時この地区は「ウェストエンド」とも呼ばれていた。奇妙なことにアルトゥーナ北部イーストエンドである。これは町の北端から出て行く列車が東のフィラデルフィア目指し南端から出て行く列車が西のピッツバーグ向かっていたからである。エルドラドの一部アルトゥーナ市域外であり、ブレア郡のアレゲーニー・タウンシップの中に入っている。

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エルドラド (El Dorado)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 23:15 UTC 版)

サイド (ガンダムシリーズ)」の記事における「エルドラド (El Dorado)」の解説

ジ・アニメ1986年9月掲載の「第1回ガンダムΖΖここまで書いていいのかな?」が初出で、漫画『機動戦士ガンダムΖΖ外伝 ジオンの幻陽』でも言及されている。宇宙世紀0088年にネオ・ジオン軍キャラ・スーン隊によって制圧される。

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エルドラド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 22:58 UTC 版)

イナズマイレブンGOの登場人物」の記事における「エルドラド」の解説

未来での意思決定機関で、セカンドステージ・チルドレン出現回避するため、歴史からのサッカー消滅決定した。 トウドウ・ヘイキチ 声 - 相沢まさき 未来での意思決定機関「エルドラド」の議長務めている。黒髪の長髪で、濠の深い顔をした老人セカンドステージ・チルドレン未来戦争起こし甚大な被害及ぼしているため、彼らが誕生するキッカケとなったサッカー消滅させよう行動するが、雷門ルートエージェント互角に戦っていることから、セカンドステージ・チルドレンを消す方法変更雷門の力を逆に利用することにした。

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