搭載測器
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TRMMにはアメリカが開発した衛星本体に、アメリカの4つの観測センサーと日本が開発した降雨レーダ(PR)が搭載された。 Precipitation Radar(降雨レーダ) Precipitation Radar(PR)は日本が世界に先駆けて開発した衛星搭載型降雨観測レーダであり、通信総合研究所(現在のNICT)とNASDA(現在のJAXA)によって開発された。13.796GHzと13.802GHzという2つの周波数の電波を送受信して降雨からの散乱強度を測定し、その散乱の強さから降雨強度が推定されている。観測幅は220km、距離分解能は250m、水平分解能は4.3km(2001年8月以降は5km)で、海洋および陸域上の降雨の3次元構造を観測する。ビーム幅は0.71度, 開口は2.1m x 2.1m, スキャン角は±17度, ゲインは=>47.4dB。ピーク電力700W, パルス幅1.6µ秒 x 2チャンネル, PRF 2776 Hz。真下を含めた49方向の角度ビン(0.71度間隔)。 TRMM Microwave Imager(TRMMマイクロ波観測装置) TRMM Microwave Imager (TMI) はマイクロ波観測装置で観測周波数は10.65GHz, 19.35GHz, 21.3GHz, 37.0GHz, 85.5GHz(水平/鉛直偏波; ただし21.3GHzは鉛直のみ)、観測幅は760km、水平分解能は4km(85.5GHz)から38km(10.7GHz)である。TMIによって海洋上の雲水量、可降水量、海面水温、海上風速が観測される。49度のコニカルスキャン。電力39W。 Visible and Infrared Scanner(可視赤外観測装置) Visible and Infrared Scanner (VIRS)は可視・赤外域の放射計であり、観測波長は0.63±0.1µm、1.61±0.06µm、3.75±0.38µm、10.8±1.0µm、12.0±1.0µ、スキャン角は±45度, 観測幅は720km、水平分解能は2kmである。VIRSから、高解像度の雲分布、海面水温などが観測される。回転速度は98.4rpm, IFOVは6.02mrad, 電力53W。 Clouds and the Earth's Radiant Energy System(雲及び地球放射エネルギー観測装置) Clouds and the Earth's Radiant Energy System (CERES)は0.3から50µmの3つの広域帯観測バンドで観測する水平分解能25kmの放射計で、地球放射エネルギーおよび雲の上端を含む大気上層から地表面までの大気放射エネルギーを観測する。短波チャンネル: 0.3µm - 5µm, 長波チャンネル: 8µm - 12µm, 全波長チャンネル: 0.3µm - 50(以上)µm。電力47W。 Lightning Imaging Sensor(雷観測装置) Lightning Imaging Sensor (LIS)は雲内部、雲から地表までの高度の雷の分布や変化を観測する観測幅600km、水平分解能4kmの光学センサである。観測バンド: 0.777655µm, 観測幅600km, 電力42W。
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搭載測器
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「TOPEX/ポセイドン」の記事における「搭載測器」の解説
TOPEX高度計 :CバンドおよびKuバンドを用いたレーダ高度計(NASAが開発) Poseidon高度計 :Kuバンドを用いたレーダ高度計(TOPEXとアンテナは共有:CNESが開発) 搭載したレーダー高度計の測定精度は約2cmであるが、いくらこれらの精度が良くても衛星位置の測定精度が悪ければ実際の観測精度が出せないため、NASAのレーザー反射鏡(LRA)と、CNESの電波を使うドップラー追跡システムDORISと、実験的なGPS受信機を搭載して衛星の位置も精密に測定された。 これにより海洋表面高の観測精度は、スカイラブで約1m、GEOS-3で約50cm、シーサット(SEASAT)で約10cm、GEOSATで約3cmだったが、TOPEX/POSEIDONでは約2cmとなった。シーサットは短命であり、GEOSATと後継のGFO(Geosat Follow-On)は軍用の衛星のため、TOPEX/POSEIDONが実質的には初の本格的な観測ミッションとなった。
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