揚げ物の「山賊焼」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/15 06:54 UTC 版)
揚げ物の「山賊焼」は、鶏もも肉を、すり下ろしたニンニクやタマネギを効かせた醤油タレに漬け込み、片栗粉をまぶして油で揚げる。端的には「鶏もも肉の唐揚げの大きいもの」で、山賊揚げとも呼ばれる。ただし、もも肉だけでなく比較的安価な胸肉など他の部位が使われる場合もある。「山賊“焼き”」と称するが、実際に焼いた(あぶりやきにした)わけではなく、調理法としては揚げる料理である。 中信地方の居酒屋や食堂などのメニューのほか、家庭料理やスーパーの惣菜としても一般的である。盛り付けの際には、千切りや手でちぎったキャベツを添える。中信地方の名物料理として提供する店もある。 名前の由来については、現在二つの説がある。 塩尻市の居酒屋「山賊」を元祖とする説で、店の横には「元祖山賊焼」の石碑が立っている。前身である「松本食堂」店主の祖父夫婦が、第二次世界大戦前後のいずれかの時期に考案したという。 松本市の食堂「河昌」による「山賊は物を取り上げる=鶏揚げると語呂を合わせた」とする説。 ご当地グルメとしてのPR活動が本格化したのは2000年代から。松本市では松本食堂事業協同組合青年部が主導して、山賊焼を出す店に2009年からのぼり旗を掲示。2012年には「松本山賊焼応援団」が結成され、持ち帰り用ににおいを抑えるためショウガを入れるなど松本風独自の基準を設けた。塩尻市では市役所が音頭をとって2010年、「材料は骨付き鶏肉」「ニンニクを効かせた醤油だれに漬け込む」「片栗粉をまぶして揚げる」という3つのこだわりを制定。2012年に「しおじり山賊焼の会」が発足した。 前後して両市では協力関係も築いており、2010年に松本大学も加わって「山賊焼を考える会」が発足。現在は毎年3月8日を塩尻市の、翌9日を松本市の「山賊焼の日」として、地元住民や観光客がはしごできるようイベントを開いている。
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