拡張性他
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/07 04:03 UTC 版)
本体の背面には10MHz動作の汎用拡張スロットが用意され、各種拡張カードや増設メモリカードなどの搭載が可能だった。 ジョイスティックポートは同時代に標準的となっていたD-sub9ピンのATARI規格準拠のものであり、電源ピンを持つ、MSXなどと同じピンアサインに変更された。このジョイスティックポートは縦型の機種では本体前面と背面に1ポートずつ、PRO系では前面に2ポート設置されていた。プリンターはセントロニクス仕様準拠のパラレルポートで、同時代の一般的なPC-9800シリーズのプリンターポートがそうだったように、入力はBusy信号のみの、事実上出力のみに特化した仕様のものが実装されていた。コネクタはX1同様のMIL-C-83503に準拠した俗に言うMILタイプ圧接コネクタだった。さらに、RS-232C上位規格のRS-232Eに準拠したシリアルポート、FDDの増設端子などのコネクタも標準搭載した。 また初代機からSASI相当のHDD増設端子を備えており、純正のX1turbo用増設ドライブの他、PC-9801用のSASIハードディスクを流用できた他、後に有志が公開したドライバによってSCSIとして使用することもできた。 HDD増設端子はX68000 SUPERからはSCSI端子に変更された。ACE以降は本体内にHDDを内蔵するスペースがあり、マウンタ等は設置されていないものの、保守部品として別途入手し工作することで内蔵することが可能 であった。また、拡張SCSIインターフェイスは内蔵インターフェイスとハードウェア的には別の実装になっていることから、ドライバなどを除けば直接ハードウェアを制御するソフトウェアは少なく、純正ボードと全く異なるハードウェアであるMach-2/Mach2pなども、ROM上のソフトウェアがその差異を吸収している。便宜上、拡張ボード、内蔵デバイスと検索されるため、拡張ボードを使用した場合は内蔵デバイスが無効になる。これらをソフトウェア側で別IDを与え、併用するTwoSCSIというソフトウェアも開発された。 SCSI機器はSCSI端子を持つX68000に接続して利用できるはずだが、ある一時期に発売されたSCSI機器はX68000に接続しても認識できない問題が少なくなかった。この問題には、終端抵抗の有無(SCSI機器末端の終端抵抗を取り外すことで動作する機器も存在した)といった電気的特性の他、NECが発売していたPC-9801-55ボードや同時期のPC-9800シリーズ本体内蔵SCSIには1台目SCSI機器のベンダID先頭3文字がNECでないと起動しない制限、俗に言う「NECチェックの巻き添え」に起因するものがあり、パソコン通信を中心にSCSI機器動作確認情報の交換が行われていた。 初代機からX68000 XVI(PROを除く)までは立体視端子(STEREOSCOPIC端子)も装備されていたが、対応ソフトは電波新聞社から発売されたセガの『ファンタジーゾーン』のみで、利用するための専用ハードウェアが発売されることはなく、満開製作所がファミリーコンピュータ用「3D SYSTEM」をX68000の立体視端子に接続するためのアダプタセット(立体視端子を持たないPROやCompact、X68030にも対応)を発売するだけにとどまった。なお『ファンタジーゾーン』が発売された時には満開製作所のアダプタは発売されておらず、電波新聞社発行のマイコンBASICマガジン等でアダプターの自作が紹介された。 また、拡張カードを自作・試作するためのユニバーサルカードが、サンハヤト等から発売されていた。またX68000の拡張カードの仕様はPC-9801用の拡張カードの大きさと概ね寸法が近似していたため、X68000用のユニバーサルカードが入手が難しい場合には、PC-9800シリーズ用の物を電源及びグランドのパターンにパターンカットを施し、部品面 / 配線面を裏返しに用いることにより流用できた。
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