患者参加の予測可能要因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 09:15 UTC 版)
「シェアード・ディシジョン・メイキング」の記事における「患者参加の予測可能要因」の解説
患者参加型医療(Patient participation)は、SDM に関連する分野ではある、SDM はより具体的に患者と医師の関係における患者の役割に焦点を当てるものである。彼らの参加の程度に影響を与える特定の患者特性が認められる。ある研究では、他の患者よりも若くて教育水準が高く、重症度が低い女性患者が医療上の決定に参加する可能性が高いことが示された。つまり、より多くの教育は参加レベルを上げ、老年期はそれを減らすように見える。しかし別の研究では、年齢は参加レベルに反比例するのではなく、数字や統計に精通していない患者が医師に医学的決定を下させる傾向があることがわかった。また、文化も異なっている。一般的に、例えば、アメリカ人は、ドイツ人よりも、追跡調査の質問をしたり治療の選択肢を調べたりすることが多く、医師と患者の関係においてより積極的な役割を果たしている。ある研究では、黒人患者は白人患者より共有意思決定への参加が少ないと報告している。またさらに別の研究では、黒人患者は白人と同じくらい参加したいと望んでおり、医師とのヘルスケアについて会話を始める切っ掛けを作っていた。 健康を重視する人は、健康をそれほど重視しない人よりも、医療上の意思決定に関してより受動的な役割を果たす可能性が高くなるという。Arora と McHorney の研究者らは、健康に高い価値を置く人々の間で健康関連の懸念が生じた場合、その発見は彼らの不安の結果であり、自分ではなく専門家に重要な医学的決定を下させる傾向があると主張している。 患者が自分の医療記録にリアルタイムで自由にアクセスできるようにすることで、患者の健康に対する理解が深まり、自らの世話をする能力が向上するという証拠が増えてきている。調査結果によると、完全な診療録へのアクセスによって、異常な検査結果の追跡調査やいつケアを受けるべきかの判断など、患者がより積極的にケアの質に関与できるようになるという。医師の訪問ノートにすぐにアクセスできる患者を提供することは、医師と患者の関係に良い影響を与え、患者の信頼、安全性、そして関与を高めることが証明されている 。メモへのアクセス権を持つ患者はまた、彼らの医療記録の作成においてより積極的な役割を果たすことに大きな関心を示している。患者との関わりを通して診断の正確さを向上させる手段として、最近オープンノート(メモ公開)の採用が医学研究所によって推奨されている。 他の研究では、患者参加の最も強い予測因子は患者自身の特徴ではなく、臨床状況や医師のコミュニケーションスタイルなどの状況に固有のものであることが示されている 。例えば、医師によるパートナーシップ構築および支援的コミュニケーションの頻繁な活用は、より大きな患者の関与を促進することを示している。 一般に、医師は、参加度の低い患者というよりは参加度の高い患者と話すときに、より患者中心のコミュニケーションに取り組んでいる。また、患者が同じ人種の医師に相談すると、患者はその医師が他の人種の医師よりも自身を参加させてくれていると認識するという。
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