性質と種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 01:23 UTC 版)
近年は国内生産もされなくなりマンガン乾電池の流通量は減っているが、乾電池の一般的な種類であり、円筒形(単1 - 単5)、角型 (6F22) など、各形状(サイズ)が生産される。アルカリマンガン乾電池(アルカリ乾電池)に比べると容量が少ないが、しばらく休ませると電圧を回復する性質を持つ。また、市販価格はアルカリ乾電池の半分程度である。このため、負荷電流が比較的小さいリモコンや時計など、また間欠的に使用するガスコンロやストーブの点火ヒーター、懐中電灯、ラジオなどの用途に適している。また、液漏れしてもアルカリ乾電池より毒性の低い「弱酸性の電解液」であるため玩具にも使用される事があるが、当然目などに入れば危険である。技術的にアルカリ乾電池の進化が大きい(液漏れ対策も研究されている)ため、昔とは違い、アルカリ乾電池よりマンガン乾電池の方が液漏れに強いとは言えなくなっている。 角型のものは積層電池であり、内部で小型の電池が複数直列に接続されている。これらの電池の電圧 (V) は、内蔵している電池の数×1.5となる。マンガン乾電池の積層電池として、ほぼ唯一現存している6F22では、6個の小型電池(F22)が内蔵されていて計9Vとなっている。 かつては4AAという単3形電池(AA)が4つ内蔵された6Vのものもあった。以前は国内外にてラジオのB電池用である積層高電圧電池(22.5V-90V)やストロボフラッシュ用積層電池(15V-430V)が製造されていたが2018年現在、これらの積層電池の製造は終息しつつある。 また平角3号(FM-3)、平角5号(FM-5)、正角1号(SM-1)といった第二次大戦前に日本標準規格にて規格化されていた大型電池も存在していた。これらは単1、単2といった電池が規格化される以前に灯火、無線通信用として使われていた。2018年現在は平角3号および平角5号のみ通信用乾電池として製造販売が行われているがマンガン乾電池からアルカリ乾電池へ置き換わりつつある。2018年現在の主な用途は家庭のベル用、電信機、科学実験、模型用グローエンジンの始動用である。これらの大型電池には特殊な仕様として電気柵電源用、工事警告灯用もある。 一般に市販されているマンガン乾電池にはランクがあり、標準(S)を緑色、高容量(C)を青色、高出力(P)を赤色、超高性能(PU)を黒色として区別される。 マンガン乾電池はアルカリ乾電池より軽いが、その中でも、ランクによる重量差があり、例えば黒より赤の方が軽い。これは、マンガン乾電池のランク分けで減極剤である二酸化マンガンの量や、電解液の成分を変えているためである。また、金属外装、熱収縮チューブ外装、紙巻き外装等の外装方法でも重さが変わる。基本的にランクが低いほど、外装も簡易になるためである。
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