性質と研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 00:00 UTC 版)
房はやや長く、果実は中くらい、藤色または明るいえび茶色で、「灰色ぶどう」と呼ばれる色合いである。果粒は大きく、酸味にも果実味にも突出した個性がないとされる。果皮がピンク色であるため、果皮から香りの成分を多く抽出しようとすると特有のえぐみが溶け出す。えぐみやボディの弱さを隠すために甘口に仕立てる生産者が多かった。近年には甲州種の新たな可能性に挑戦する試みが行われている。 2004年の米国カリフォルニア大学デービス校ファンデーション・プラント・サーヴィス(DPS)による分析で、日本に多い米国種(Vitis labrusca)ではなく欧州種(V. vinifera)の交配品種であることが明らかとなった。さらに酒類総合研究所の研究により、甲州は欧州種の中でも中国の「竜眼」などの東洋系欧州種のグループに属し、西洋系品種とは違う系統であることも明らかとされている。2013年、酒類総合研究所により、DNA鑑定の結果、ヨーロッパブドウ(V. vinifera)と中国の野生ブドウ(V. davidii(ドイツ語版))が交雑したものが、さらにヨーロッパブドウと交配した品種である可能性が高いことが発表された。また、甲州は竜眼の実生ではないかとする説もあったが、実際は東洋系欧州種の中でも竜眼や和田紅よりも野生種に近い品種であることが判明している。 東京農業大学と山梨大学の研究グループがゲノム解読を完了している。
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