性質と用法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 14:34 UTC 版)
隆起函数は滑らかであるが、恒等的に零でない限り解析的ではない。これは一致の定理の簡単な帰結である。 隆起函数はしばしば軟化子や、カットオフ函数として用いられたり、滑らかな1の分割を構成するために用いられる。それらは、解析学において最もポピュラーなテスト函数の族である。 隆起函数の空間は、多くの演算の下で閉じている。例えば、二つの隆起函数の和、積あるいは畳み込みは再び隆起函数である。また滑らかな係数を持つ任意の微分作用素が隆起函数に適用される場合、別の隆起函数が構成される。 隆起函数のフーリエ変換は(実)解析函数であり、複素平面全体へ拡張することが出来る。したがって、それはゼロでない限りコンパクトな台を持つことはない。実際、整函数であるような隆起函数はゼロ函数のみだからである(ペイリー=ウィーナーの定理(英語版)を参照)。隆起函数は無限回微分可能であるため、十分大きな角周波数 |k| に対して、フーリエ変換 F(k) は 1/k の任意の有限のべきよりも必ず早く減衰する。上述の隆起函数 Ψ ( x ) = 1 { | x | < 1 } exp ( − 1 1 − x 2 ) {\displaystyle \Psi (x)=1_{\{|x|<1\}}\exp \left({-{\frac {1}{1-x^{2}}}}\right)} のフーリエ変換は、鞍点法によって解析することが出来、大きい |k| に対して漸近的に | k | − 3 / 4 exp ( − | k | ) {\displaystyle |k|^{-3/4}\exp \left(-{\sqrt {|k|}}\right)} となるように減衰する。
※この「性質と用法」の解説は、「隆起函数」の解説の一部です。
「性質と用法」を含む「隆起函数」の記事については、「隆起函数」の概要を参照ください。
- 性質と用法のページへのリンク