志布志線とは? わかりやすく解説

志布志線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/15 02:40 UTC 版)

志布志線
岩川駅に停車中のキハ20系気動車
(1987年3月)
概要
現況 廃止
起終点 起点:西都城駅
終点:志布志駅
駅数 10駅
運営
開業 1923年1月14日 (1923-01-14)
廃止 1987年3月28日 (1987-3-28)
所有者 鉄道省運輸通信省運輸省
日本国有鉄道
路線諸元
路線総延長 38.6 km (24.0 mi)
軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)
電化 全線非電化
路線図
鹿児島県 1934年の地図
テンプレートを表示
停車場・施設・接続路線(廃止当時)
日豊本線
都城駅
0.0 西都城駅
日豊本線
4.3 今町駅
宮崎県/鹿児島県
8.3 末吉駅
14.4 岩北駅
17.2 岩川駅
21.6 大隅松山駅
26.4 伊崎田駅
33.5 安楽駅
35.5 中安楽駅
大隅線-1987
38.6 志布志駅
日南線

志布志線(しぶしせん)は、かつて宮崎県都城市西都城駅から鹿児島県曽於郡志布志町(現・志布志市)の志布志駅までを結んでいた、日本国有鉄道(国鉄)の鉄道路線地方交通線)である[1]国鉄再建法の施行により第2次特定地方交通線に指定され、1987年3月28日に全線廃止となった[1]

路線データ(廃止時)

  • 管轄(事業種別):日本国有鉄道
  • 区間(営業キロ):西都城 - 志布志 38.6km[1]
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:10(起終点駅含む)
  • 複線区間:なし(全線単線
  • 電化区間:なし(全線非電化
  • 閉塞方式:タブレット閉塞式
  • 輸送密度 : 1617人(1981年度) [2]
  • 営業係数 : 847(1981年度)

運行形態(廃止時)

廃止時は10往復の列車が設定され、普通列車のほか朝の上りと夜の下りに各1本ずつ日豊本線と当線を経由して西鹿児島(現在の鹿児島中央) - 日南線油津間を直通する快速列車「大隅」が設定されていた。全列車が西都城 - 志布志間を通しで運転しており区間運転は無かったが、西都城側では西鹿児島に直通する快速列車1往復を除く全列車が都城まで、志布志側でも普通列車下り4本・上り3本が宮崎まで、快速列車は上下とも油津まで日南線へ直通運転を行っていた(日南線内は普通)。

廃止時の使用車両

歴史

都城から太平洋岸の志布志に向かい、軽便鉄道法により建設された鉄道で、1923年から1925年にかけて志布志までが開業した。1932年には、国都東・西線が連絡し、現在の日豊本線ルートが完成したのにともない、都城 - 西都城間が日豊本線に編入されている。

現在は日南線となっている北郷 - 志布志間についても当初は志布志線として開業した区間で、1963年の日南線南宮崎 - 北郷間開業にともない、同線に編入された。こちらは大隅線とともに、改正鉄道敷設法別表第126号に規定する予定線である。

年表

*は後の日南線の区間

駅一覧

接続路線の事業者名・駅の所在地は、志布志線廃止時点のもの。全普通列車が直通していた都城駅から記載する。営業キロは西都城駅からのもの。

  • 路線名…日豊:日豊本線
  • 停車駅
    • 快速「大隅」…●は停車、|は通過
    • 普通列車は全駅に停車。
路線名 駅名 駅間
キロ
営業
キロ
快速 接続路線 所在地
日豊 都城駅 - 2.5   日本国有鉄道:吉都線 宮崎県都城市
西都城駅 2.5 0.0 日本国有鉄道:日豊本線
志布志線
今町駅 4.3 4.3  
末吉駅 4.0 8.3   鹿児島県 曽於郡末吉町(現・曽於市
岩北駅 6.1 14.4  
岩川駅 2.8 17.2   曽於郡大隅町(現・曽於市)
大隅松山駅 4.4 21.6   曽於郡松山町(現・志布志市
伊崎田駅 4.8 26.4   曽於郡有明町(現・志布志市)
安楽駅 7.1 33.5   曽於郡志布志町(現・志布志市)
中安楽駅 2.0 35.5  
志布志駅 3.1 38.6 日本国有鉄道:日南線大隅線(1987年3月14日廃止)

代替バス

鹿児島交通都城-志布志線が代替バスとして運行されている[9]

全線通しの系統(宮崎県側の資料では「志布志 - 都城線」)については国や県からの赤字補填がある「地域間幹線バス路線」に位置付けられていたが、2024年度(バス事業年度、2023年10月 - 2024年9月)の1日当たり平均輸送量が11.2人となり、国庫補助が出る最低条件である「15人以上」を下回り国庫補助がなくなることから、2025年10月より沿線3市(都城市、曽於市、志布志市)が運行する広域的コミュニティバス路線へ変更することが予定されている[10][11]

1987年3月28日当初のダイヤ

  • 都城 - 志布志(岩川、八合原経由)
  • 都城 - 志布志(岩川、元松山駅前経由)
  • 岩川 - 志布志(元松山駅前経由)

以上3系統が上下あわせて1日34本運行されていた[12]


2020年5月現在のダイヤ

  • 都城駅 - 志布志駅前(全線通し) 上り3本、下り4本
  • 末吉駅跡 - 志布志駅前 上下1往復
  • 末吉駅跡 - 岩川 上下1往復

この他、都城駅 - 岩川間に鹿屋発着が6往復、岩川 - 志布志駅前間に鹿児島空港発着が4往復乗り入れている。

廃線後の状況

廃止後、西都城駅付近の公園から岩北駅付近までの区間が自転車・歩行者用道路として整備されており、西都城駅 - 県境付近までの区間(約6km)には「志布志線ウェルネスロード」、県境から岩北駅付近までの区間には「マインドロード末吉」の名称が付けられている[13][14]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h 鉄道ジャーナル』第21巻第7号、鉄道ジャーナル社、1987年6月、97-99頁。 
  2. ^ 国鉄輸送密度データ 路線名と数字は1日1km当たりの平均輸送密度(人)”. OMOTESANDO HARAJUKU TAKESHITA STREET. 2023年6月2日閲覧。
  3. ^ 『大隅町誌(改訂版)』pp.753-754
  4. ^ a b c d 『大隅町誌(改訂版)』p.754
  5. ^ 「志布志線にジーゼルカー」『交通新聞』交通協力会、1955年1月8日、1面。
  6. ^ a b c 『大隅町誌(改訂版)』p.756
  7. ^ 「日南、志布志線 19日でSL廃止」『交通新聞』交通協力会、1975年1月17日、2面。
  8. ^ a b 『大隅町誌(改訂版)』p.760
  9. ^ 九州のバス時刻表
  10. ^ 「幹線バス「志布志・都城線」「コミュニティ」変更承認 県公共交通協」『宮崎日日新聞』2025年6月27日2面。
  11. ^ 令和7年度第1回宮崎県地域公共交通協議会及び第1回地域間幹線バス部会について 宮崎県、2025年7月14日公表、同年7月15日閲覧。
  12. ^ 『大隅町誌(改訂版)』p.761
  13. ^ 今町駅跡鉄道記念公園 C12 64の静態保存と志布志線ウェルネスロード - Harada Office Weblog
  14. ^ 志布志線 産業都市都城と港湾都市志布志を結んだローカル線 - Harada Office Weblog

参考文献

関連項目

外部リンク



志布志線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 05:51 UTC 版)

日豊本線」の記事における「志布志線」の解説

1923年大正12年1月14日都城駅 - 西都城駅 - 末吉駅間が志布志線として開業西都城駅開業

※この「志布志線」の解説は、「日豊本線」の解説の一部です。
「志布志線」を含む「日豊本線」の記事については、「日豊本線」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「志布志線」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「志布志線」の関連用語

志布志線のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



志布志線のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの志布志線 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの日豊本線 (改訂履歴)、日南線 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS