建設再開計画の迷走とは? わかりやすく解説

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建設再開計画の迷走

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 15:57 UTC 版)

南方貨物線」の記事における「建設再開計画の迷走」の解説

1991年平成3年2月15日衆議院連絡委員会では、運輸省(現:国土交通省)の審議官が「南方貨物線旅客線として活用したい」との意向示したが、東海旅客鉄道JR東海社長須田寬同年2月20日記者会見で「議事録精読したが、『JR東海に売る』とまで踏み込んだ答弁内容ではなかったと認識している。旅客線として活用しても、採算合わない見込み強く活用するとなれば(この時点で)さらに百数十億円の投資が必要であり、とても当社の手負え代物ではない。買い取る意思全くない」と述べ運営関わりを持つことを否定した一方須田発言受けて愛知県交通対策室長中村真は「県としては、貨物線として再生してほしいという従来姿勢変わりはない。その望みが薄いなら、清算事業団自らが新会社作るなり、主導的に有効利用知恵を絞ってもらいたい」とコメントしたが、土地高架橋保有していた国鉄清算事業団は「(我々は)資産処分するのが役割で、建設主体になるのはあり得ない」という反応示していた。 運輸省事務次官中村徹は翌1992年平成4年1月10日運輸政策審議会答申12号名古屋圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画について)にて、「東海道線名古屋地区混雑緩和目的に、南方貨物線西名古屋港線とともに旅客線として開業させてはどうだろうか?」と提案し、同答申では「鉄道貨物輸送増強必要性旅客輸送動向などを勘案して検討する」とされた。同年時点で、(南方貨物線西名古屋港線並行する東海道線名古屋 - 笠寺間を走る貨物列車の数は上下それぞれ60本/日だったが、貨客混合の同区間ダイヤは既に過密状態で、増発困難な状況となっていた一方このころにはトラック輸送業界運転手不足・大気汚染交通渋滞による遅配などの問題から、(特に長距離貨物輸送で)モーダルシフト鉄道海運などへの輸送形態変化)が進んでいた。そのため、中部運輸局関係者集めて幹事会」を組織し南方貨物線西名古屋港線旅客線化に向けた勉強会開始したほか、同年6月5日開かれた鉄道貨物協会名古屋支部通常総会では、南方貨物線早期開業を国に働き掛ける決議なされるなど、陸運業界を中心に南方貨物線開業への期待高まっていた。 当時、仮に南方貨物線旅客貨物併用線として工事再開した場合事業費は約165億円と概算されており、その建設費捻出方法については「トラック運送業界や関係自治体愛知県名古屋市など)、JR東海JR貨物などで第三セクター設立するしかない」との見方強かった。しかし、1992年当時名古屋駅 - 熱田駅間の混雑率は約135%で、南方貨物線旅客化は「意義が薄い」とされ、見送られた。1997年平成9年6月には、JR貨物完全民営化のための基本問題懇談会で、南方貨物線について「将来少なくとも貨物鉄道としてその有効活用を図ることが適当であると考えるが、種々解決すべき課題残されていることから、今後、さらに関係者間において必要な検討調整進めていく必要がある」という意見出たが、JR貨物JR東海名古屋市愛知県など関係機関は、いずれも「自ら事業主体となることは考えられない」という姿勢示しており、活用向けた事業化極めて難し状況になっていた。 それ以外にも、常滑沖に建設され中部国際空港セントレア)への空港連絡鉄道として活用する案も出されたが、これも実現しなかった。一方西名古屋港線旅客工事の際には、南方貨物線分岐できる構造となっていた高架橋がその阻害となったため、該当部分撤去された。

※この「建設再開計画の迷走」の解説は、「南方貨物線」の解説の一部です。
「建設再開計画の迷走」を含む「南方貨物線」の記事については、「南方貨物線」の概要を参照ください。

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