広腰亜目(ハバチ亜目)Symphyta
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/23 03:59 UTC 版)
「ハバチ亜目」の記事における「広腰亜目(ハバチ亜目)Symphyta」の解説
世界に約14科10,000種、そのうち日本産約11科720種 ナギナタハバチ上科 Xyeloidea(1科)ナギナタハバチ科 Xyelidae世界に約6属50種。うち日本産は約4属10種。マツの雄花やモミなどの新梢に穿孔するものと、広葉樹の葉を食うものがある。中生代三畳紀の化石が知られ、これはハチ目の確実な記録としては最も古いものとされる。微小な種が多く、ナギナタハバチは3mm程度。 アギトハバチ上科 Megalodontoidea(2科)(別名:クシヒゲヒラタハバチ上科)アギトハバチ科 Megalodontidae(別名:クシヒゲヒラタハバチ科)ユーラシアの温帯に約4属45種。日本産はなし。幼虫は主にセリ科を食う。 ヒラタハバチ科 Pamphilidae世界ではユーラシアと北米に約200種。うち日本産は約6属70種以上。幼虫は植物の葉を食い、群れとなることがある。口から糸を吐き足場や巣を作る。群れによる巣の様子はある種のガの幼虫のそれによく似る。 ハバチ上科 Tenthredinoidea(世界に6科)♀の産卵管はノコギリ状。ヨフシハバチ科 Blasticotomidae世界ではユーラシアの温帯に約2属10種。うち日本産約2属6種。触角は普通4節で3節目が非常に長く4節目は極めて短い。幼虫はシダ類の葉柄に穿孔する。古生代のリンボクの化石に本科の幼虫の糞の可能性のある化石が含まれていたという。これが本科のものであるならハチ目の歴史は古生代までさかのぼることになる。 ミフシハバチ科 Argidae熱帯を中心に数十属800種。うち日本産約5属40種。触角は3節で3節目が非常に長い。幼虫は種々の植物を食う。チュウレンジバチ、クワガタハバチなど。 コンボウハバチ科 Cimbicidae世界に約20属130種。うち日本産約10属30種。触角の先端が膨んだ棍棒状。幼虫は広葉樹を食うが、群れにはならない。中型から大型の種が多く、キイロアシブトハバチは30mm以上。 マツハバチ科 Diprionidae世界に約7属100種。うち日本産約6属30種。触角は13節以上。幼虫は針葉樹を食う。 ハバチ科 Tenthredinidae世界では北半球を中心に百数十属6000種以上。日本産は約109属500種以上。広腰亜目で最大種数を誇り7亜科に分けられる。触角は7~12節。幼虫は種々の植物を食い、潜葉性のものや虫こぶを作るもの、果実に食入するものもいる。カブラハバチなどの幼虫はアブラナ科の葉を食害し、菜の黒虫(なのくろむし)として知られる。ニホンカブラハバチは腿節の末端とけい節の外側及び末端が黒色であり、カブラハバチでは腿節の末端は黒くなくだいだい色で、けい節は末端だけが黒色である。セグロカブラハバチでは腿節の末端は黒くはなくだいだい色で、けい節の外側及び末端は黒色である。 ペルガハバチ科 Pergidae北米に少数種がいるほかは主としてオーストラリア・中南米を中心に約50属400種以上。日本産なし。幼虫は広葉樹を食い、潜葉性の種も少数ある。 クキバチ上科 Cephoidea(世界に1科)クキバチ科 Cephidaeユーラシアを中心に世界に約12属100種。日本産約8属15種。幼虫はイネ科の茎内部や広葉樹の新梢内部を食う。 キバチ上科 Siricoidea(世界に1科)キバチ科 Siricidae世界に広く分布し約9属100種。日本産約6属20種。産卵管は錐状。産卵時に体内に持つ腐朽菌を共に注入することで木を腐らせ、幼虫は菌により分解された木の幹内を食う。そのため森林害虫とされる。大型の種が多くニホンキバチは40mm近い。 ヤドリキバチ上科 Orussoidea(世界に1科)ヤドリキバチ科 Orussidae世界で約16属80種。日本産約2属5種。特にアフリカで種類が多い。カミキリムシ科、タマムシ科、キバチ科などの木材穿孔性幼虫に外部寄生する。広腰亜目では唯一寄生性で、産卵管が非常に長く、卵もきわめて大きい特異な群。 上科不詳クキバチモドキ科 Anaxyelidae世界に1属1種で日本産なし。中生代に栄えた科で、北米産の唯一の現生種Syntexis libocedriiは生きている化石といわれる。幼虫はヒノキ科の針葉樹の内部を食う。 クビナガキバチ科 Xiphydriidae世界に約22属80種。日本産約7属20種。広葉樹の木部を食う。
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