年金記録確認第三者委員会報告書
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「年金記録問題」の記事における「年金記録確認第三者委員会報告書」の解説
以下は、第三者委員会が2年間に約7万件の申立について調査審議を行った活動実績の説明と処理事案の分析結果についての報告書(2009年〈平成21年〉6月)の概要である。 第三者委員会の活動の概要 2007年(平成19年)6月から2009年(平成21年)3月までに、中央委員会は合計259回、地方委員会は合計1万1314回開催し、事案処理の実績は、受付申立件数 10万7954件に対し、処理終了件数 6万8595件 (67 %) であり、あっせん率は約40 %である。 関係閣僚会議において、1年を目途に処理を終えることとされた2007年(平成19年)度申立事案(5万752件)については、2008年度(平成20年度)度中に99.95 %の処理を終了し政府目標を達成した。 基本方針に基づく公正・迅速な事案処理 事案処理は、申立人提出の資料だけではなく、関連資料及び周辺事情の幅広い収集を行い結論を得ており、それらが乏しい場合も詳細な調査を行った上で、申立内容等に基づいて総合的な判断を行いあっせんしている。 申立人の申立てを十分にくみ取るとの考え方から、事務室職員が申立人から詳細に申立内容を聴取し様々な情報を収集している。 また、申立人が希望する場合は、口頭意見陳述を行っている。 全国の第三者委員会の統一を図り、整合性を確保するため、中央委員会による基本方針案の策定及び先例の発出等を行っている。 平均処理期間は、社会保険事務所の受付から約8か月、第三者委員会受付から約6か月である。 新たな資料・情報が得られた場合は、結論が出された事案について再申立てを認めており、14件をあっせんしている。 申立事案の中には、提出資料に虚偽の疑いがある申立てがあったが、審議の結果いずれも訂正不要と判断されている。 処理事案の分析 (国民年金) あっせん申立期間以外は納付済、申立期間が短期間、配偶者などの同居親族は納付済の場合。 手帳記号番号の払出時期から納付が困難な場合であっても、加入や納付に係る具体的な記憶や供述がある場合。 非あっせん 申立人の記憶内容があいまい、納付できない期間の納付、申立人が納付に関与していない、申立内容の矛盾・事実との相違などの場合。 (厚生年金) 厚生年金保険法によるあっせん遡及して行った社会保険事務所の事務処理が不合理と判断される場合 厚生年金基金の記録から、事業主が申立てどおりの届出を社会保険庁に行っていたと認められる場合。 厚生年金特例法によるあっせん同一企業内の転勤に伴い加入記録に空白期間が生じた場合 事業主や同僚から申立人の保険料控除に係る供述が得られる場合 申立人と同種の勤務内容であった同僚に加入記録が認められる場合。 非あっせん 事業主が届出や保険料の控除を行っていなかったことが確認できる、適用事業所となるための届出を行っていない、事業主や同僚から、申立人が厚生年金の加入してなかったことを裏付ける供述が得られるなどの場合。 年金記録問題において第三者委員会の活動が果たした役割 事案処理を通じた年金記録の回復のほか、厚生年金特例法の必要性を提言し、制定・施行されたこと、調査過程で、申立人の未統合の年金記録を発見し記録統合したことや厚生年金の不適正な遡及訂正事案の存在を明らかにしたこと、集積したあっせん事案により定型的に処理しやすい事案を類型化し、社会保険事務所で職権訂正を実施したこと。
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