巻き簾
(巻き簀 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/25 20:33 UTC 版)

巻き簾(まきす、まきすだれ)は、すだれ状の日本料理の調理道具。日本発祥で発展した調理道具である[1][2]。巻き簀とも書く。
用途
巻き寿司など海苔巻きの調理に使われることが多く、江戸前寿司に代表される早寿司の仕込み過程で、様々な素材を巻くために用いられるようになった[3]。また卵焼きなど柔らかい食べ物を形付けるのにも使われ[4]、「目で楽しんで食べる」[5]と言われる日本料理の繊細な表現のためにも用いられる。
焼きあがった卵焼きの整形のほかにも、大根おろしの水切り、ボイルした野菜の水気取り、蒸籠の下敷きなどに用いる[6]。
種類
海苔巻きなどに用いられるすだれは「小物すだれ」に分類される[7]。海苔巻きに用いられる「のり巻きすだれ」や鬼すだれ(鬼簾、オニ簀)などがある[7]。このうち海苔巻き用には細巻き用と太巻き用がある[1]。また、鬼すだれは太めの竹を三角に加工したものを編んだもので伊達巻きに形を付けるときなどに用いられる[1](記事上の写真右下)。巻く際には一般的には竹の皮のほうを内側にするが、鬼すだれは形を付けるために皮でないほうを内側にして用いる[1]。以上の竹製のもののほかにプラスチック製のものもある[6]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d これも日本独自「巻きす」ひしほWebマガジン ヤマサ醤油株式会社
- ^ 和道具 和の味 巻きす NHK出版 きょうの料理 2012年2月号
- ^ 山口昌伴、GK研究所『図解 台所道具の歴史』柴田書店、1978年8月1日、188-190頁。
- ^ 奥村彪生『料理をおいしくする仕掛け -日本の食べごと文化とフードデザイン-』農山漁村文化協会、2006年3月31日、223-224頁。ISBN 4-540-05287-X。
- ^ 岡田哲『食の文化を知る事典』東京堂出版、1998年11月30日、78頁。 ISBN 4-490-10507-X。
- ^ a b “食の現場に行ってみよう! vol.16”. 学校法人服部学園 服部栄養専門学校. 2025年7月25日閲覧。
- ^ a b “東京都伝統工芸品 江戸簾”. 田中製簾所. 2025年7月25日閲覧。
関連項目
固有名詞の分類
- 巻き簾のページへのリンク