属名・種名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 04:07 UTC 版)
国際藻類・菌類・植物命名規約において、属名は単数主格の名詞で大文字 (Capital)で書き始める。種名は「属名 + 種形容語」(二語名)で示し、種形容語(および種内分類群の形容語 infraspecific epithet)は形容詞、名詞の属格または同格であり、小文字 (lower case)で書き始められるべきである。種内分類群の形容語(たとえば亜種名や変種名)は種名の後に続け、そのランクを表す用語をつけて表される。例えば、ユキノシタ属の1亜品種はSaxifraga aizoon subf. surculosa Engl. & IrmschまたはSaxifraga aizoon var. aizoon subvar. brevifolia f. multicaulis subf. surculosa Engl. & Irmschのように表示される。「学名をよりはっきりと表示するために,学名の一部をなす word elements はイタリックで表示されるが、印刷形式は編集のスタイルと伝統の問題であって命名法上の問題ではないので,本『規約』はこの点に関しては他を拘束する標準ではない。」としており、規約には定められていないが、普通イタリックで表示される。 国際動物命名規約においても、種名は必ず「属名 + 種小名」(二語名)で示さなければならず、これを二語名法の原理 (Principle of Binominal Nomenclature)という。属名は主格単数形の名詞として扱い大文字で書き始め、種小名(種階級群名)は小文字で書き始めなければならない。なお、亜種名はそれに小文字で書き始める亜種小名を加え、「属名 + 種小名 + 亜種小名」の三語名で表示する。種階級群名(種小名および亜種小名)は主格単数形の形容詞または分詞、属名と同格の主格単数形名詞、属格の名詞、および共生する生物(宿主)の種小名に由来する属格の実名詞 (substantive)として使用される形容詞のいずれかとして扱わなければならない。また、亜属名を挿入する場合、大文字で書き始め、「属名 + (亜属名) + 種小名」と丸括弧にくるんで挿入しなければならず、これを三語名とは数えない(挿入名 Interpolated name)。種階級群名を書くときはつねに属名(もしくはその略記)に続けるべきである。印刷形式は拘束しないとする国際藻類・菌類・植物命名規約とは異なり、種名は「地の文と違う字体」(普通、斜体 italics)で印刷するべきであるとされる。 国際原核生物命名規約では、属名は必ず単数形の実名詞または実名詞として使われた形容詞で、実名詞として扱われる。種名は「属名 + 種形容語」の2語の組み合わせ ( binary combination)である。種形容語は属名と性が一致する形容詞、主格で属名と同格の実名詞、属格の実名詞の何れかでなければならない。主格の亜属名も属名と同様に扱われ、亜属名を種名に含める場合、属名と種形容語の間に "subgen." とともに括弧内に入れる。また、規約ではなく提案として、学名の表記について、その国の言語、関連する雑誌や出版社に適した慣例を用いなければならず、学名を他の文章と区別するために、イタリックなどの異なる書体で表示することが望ましいと示されている。
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