小説・児童書
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「バーリー・ドハーティ」の記事における「小説・児童書」の解説
児童・青少年向け小説や絵本を三十作以上執筆。作家フィリップ・プルマンは「ドハーティの強さは常に感情の誠実さにある。」と評している。 三作目『ホワイト・ピーク・ファーム』は初の年長者向け作品で、現代の農家一家に起きる変化を描いた。自伝的小説とも評されるが、ドハーティ自身にはラジオ番組制作のため行ったダービーシャーの十代の子どもへのインタビュー以外に農業体験はなく、そのダービーシャーがこの小説の舞台となっている。またのちに、ダービーシャーのピーク地方(英語版)の農場にある築300年のコテージに移り住んだが、農家にはなっていない。 書くジャンルは様々で、『ディア ノーバディ』での10代の妊娠、『蛇の石 秘密の谷』での養子縁組、『ライオンとであった少女』でのアフリカのエイズ孤児と児童売買といった現代の社会問題を取り上げた作品の描写には、ソーシャルワーカーでの経験が活かされている。 児童書 Tilly Mint and the Dodo(1988)では自然保護論者として種絶滅の危機を取り上げた。Spellhorn(1989)では盲目者の体験を探るためにファンタジー設定を用いた。歴史物には、1860年代のロンドンが背景の Street Child(1993)や、ヘンリー8世治世時代が背景の Treason(2011)がある。ドハーティ自身の家族史を元にした作品『シェフィールドを発つ日』では自身の両親の結婚談が描かれ、The Sailing Ship Tree(1998)では自身の父親と祖父の人生が描かれている。ドハーティにとって祖父母は、自分の「遠い過去」への生きた繋がりだというが、自身の祖父母は生まれる前に全員他界していたため、母方の祖父母を『シェフィールドを発つ日』で、また父方の祖父を The Sailing Ship Tree でそれぞれ「再生」させたという。 ドハーティの作品には場所を強く意識させるものが多く、風景に触発されていると自身で述べているほか、作家トーマス・ハーディのもつ「風景の中の人々の実感」を賞賛している。現在ダービーシャーのダークピークにあるイーデル(英語版)に居住しており、ピーク地方(英語版)を背景とした作品を多数書いている。Children of Winter(1985)はペストの蔓延したエヤム(英語版)の村に大まかに基づく話で、Deep Secret(2004)ではレディバワー貯水池(英語版)のために水没した二つの村が詳述されている。 ファンタジー絵本 Blue John(2003)はダービーシャーのキャッストンにあるブルー・ジョン洞窟(英語版)に触発して作られた 。 児童やティーンエイジャーと一緒に物語を作っていくことも多く、初の著書 How Green You Are! はシェフィールドで教師として働いている間、自分のクラスの一つで読み聞かせるために書かれたものだった。Tough Luck(1987)は、アーティスト・イン・レジデンスとして過ごしたドンカスターの学校の生徒と一緒に作られた。Spellhorn では盲目の子供たちとの様々な作業を通して作品作りの研究を行った。 児童向け小説で有名だが、大人向け小説には Requiem(1991)、The Vinegar Jar(1994)がある。
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