対戦カードの勝ち越しに勝ち点を与える方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 09:26 UTC 版)
「勝ち点」の記事における「対戦カードの勝ち越しに勝ち点を与える方式」の解説
日本の大学野球各リーグでは特殊な勝ち点方式が広く採用されている。この方式では、同対戦カードで2戦先勝したチームに勝ち点1が与えられる。2勝0敗でも2勝1敗でも勝ち点は同じく1である。 この方式の発祥は東京六大学野球連盟で採用された方法である。東京六大学野球では、2校間の対戦が基本単位であり、相手校に勝ち越すことに意義があるという精神を原則としているため、このように特殊な勝ち点制度が生まれた。東京六大学野球は、かつて日本のスポーツ界で随一の人気があった時期があり、そのため後発の大学野球リーグの多くがこぞって東京六大学野球リーグの勝ち点方式を採用した。 この方式において勝ち点が同一で並んだ場合は、勝ち点が同じ同士の勝率比較で順位の優劣を決定するのが一般的である。但し、そのような場合でも、例えば1位や最下位のような、その順位により次のステージ への出場チームが決定する場合に限りプレイオフ(順位決定戦)が行なわれる方式を採っているリーグが多い。それ以外の順位については決定戦は行わず、以下のいずれかの方法が採られる。 前シーズンの当該校同士の順位比較を当てはめる 同順位とする 当該校同士のそのシーズン中の対戦成績による なお、過去にはリーグ戦活性化策の一つとして1位の勝ち点が並んだ場合は、勝率比較によらずに必ず決定戦を行ったリーグ(東京六大学リーグ、東都大学リーグで採用実績の記録あり)もあったが、「リーグ戦1試合当たりの価値が低下する」、「リーグ戦開催期間が度々後日に伸びるのは後続の全国大会開催が迫っている関係で運営上好ましくない」などの諸事情の面からの再考の結果、比較的短命で廃止に至っている。 この方式の場合、引分試合は勝ち点計算からも勝率計算からも除外されるのが通例である。リーグによっては運営事情により引き分け試合が発生しても決着がつくまで同一カードを実施し続けるのが困難な場合があり、そのようなリーグでは同一カードが規定試合数内で決着がつかない(いずれのチームも2勝目をあげていない)場合、両チームとも勝ち点0としている。 新型コロナウィルス対策の一環で、2020年から一部の大学野球リーグでは、3戦2勝制の勝ち越しチームに対する勝ち点制ではなく、1試合ごとのポイント制を採用している大会もある。例として東京6大学野球連盟では2020年秋季大会から、それぞれの参加チーム2回総当たりの10試合を行い、勝ったチームに1点、引き分けは双方に0.5点(負け0点)を加算し、10試合終了時の勝ち点の最も最多だったチームを優勝チームとする。最多勝ち点が2チームある場合は当該チームによる1ゲームプレーオフで優勝を決め、3チーム以上が並んだ場合は「優勝預かり(優勝校なし)」とみなす。なお2位以下については、原則として同率順位とするが、次回シーズンの組み合わせ決定の都合上、前回シーズンの上位チームを上位扱いとみなす。最も、1試合ごとのポイント制は2020年秋季大会が初めてではなく、20世紀の戦前~戦後(1947年秋季大会まで)にかけて、22シーズンにわたり採用した事例がある。
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