密室劇場
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「鍵のかかった部屋 (貴志祐介)」の記事における「密室劇場」の解説
初出:『小説野性時代』2011年7月号 前回の座長殺害事件が縁で『ES&B』へと改名した劇団『土性骨』の舞台公演に招かれた榎本と純子。彼らの舞台『彼方の鳥(ヨンダー・バード)』は劇団員達による舞台という名の無法地帯とする中、舞台は八頓のリアクションで爆笑を収めて終わる。公演後、八頓の様子に只ならぬものを感じた榎本と純子が舞台下手にある控室に向かうと、そこでは前座のロベルト十蘭が遺体となっていた。すぐに警察に通報しようとする純子だが、榎本はそれを制し30分で解決し犯人に自首を勧めると宣言する。容疑者はロベルトと共に控室に退場した前座の3人、しかし誰がロベルトと一緒にいたのかは誰も分からず、殺害現場から抜け出すには下手に通じるロビーと外に直接通じる舞台上手を通るしかないが、ロビーに通じる扉の隣には売店が、上手に通じる舞台には観客がいたという脱出不可能の密室だった。 左 栗痴子 劇団『ES&B』の座付き作家。 松本さやか 劇団『ES&B』の看板女優。『彼方の鳥』にも出演し、女優として間違った新境地に進んでいる様を見せる。 力 八噸 劇団『ES&B』の俳優。 ジョーク泉 劇団『ES&B』の劇団員で舞台の進行役。背広を着こんで頭髪を固めた男。芸名の如くジョークが泉のように出てくるという。公演中に本筋と関係の無い雑談をするなど弁士らしからぬ進行振りを発揮する。また榎本ばりに論理的に物事を語ることが出来る。 須賀礼 劇団『ES&B』の前座。「日本一高速の手品師」の異名を持ち、目にも止まらぬ速さのステップ・手捌きで何をしているのかわからない手品を披露する。 マーピン羽倉 劇団『ES&B』の前座。本名は羽倉正敏。頭髪を剃った筋骨隆々の男で怪力自慢。テレビにも出演しかけたものの出演者全員分のすき焼き弁当の肉だけ平らげ、ADに注意されて逆ギレしスタジオを破壊してからそのチャンスは一度も回らなくなった。感情が昂った時の「マーベラス!」、相手にキレた時の「破壊して、ぶっ壊す!」が口癖。 富増 半蔵 劇団『ES&B』の前座。190cmぐらいの痩せこけた長身の男。本場なのかよく分からないデトロイトスタイルの本格派パントマイマーで、高度なレベルのパントマイムを披露する。春日部出身だが、ある事情で練習してから関西弁で話すのが定着した。 ロベルト十蘭 劇団『ES&B』の前座。パナマに日系人が殆どいないはずなのに日系パナマ人だという胡散臭い振れ込みだが、出身は行田市。極限会館で2段の実力を持った空手家でもあり、その実力は折り紙つきだが一般常識に疎い。 アントニオ丸刈人(マルガリート) 劇団『ES&B』の俳優。頭髪を三分刈りにした馬面の男。『彼方の鳥』にも出演。 カルロス金玉 劇団『ES&B』の見習い劇団員。緑色のモヒカンで顔中ピアスの青年。ロビーで売店の仕事をしており、下手に通じるドア越しにロベルトが何者かと口論していたのを聞いていた。純子も言いよどむ芸名で呼ばれるのは本人もばつの悪い思いを感じる模様。 大道 劇団『ES&B』の大道具係。髭面の地味な風貌の男。裏方であるため「大道」は大道具係にちなんだ芸名ではない。 駒井 劇団『ES&B』の小道具係。非常に小柄な老人で、地声は志村けんっぽい。
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