寄生獣 (映画)
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『寄生獣』(きせいじゅう)は、岩明均の同名漫画を原作とする実写の日本映画。
注釈
- ^ a b 原作では「ひかり第一公園」という名称の公園という設定であったが、実写映画版では「東福山動物公園」[52]という名称の動物園に変更されている。
- ^ 原作では、パラサイトたちは物語冒頭において空から降ってくるという描写がされていたのに対し、実写映画版ではパラサイトが深海から浮上するという描写に変更されている[7]。「#設定」も参照。
- ^ 原作では、「A」を新一と引き合わせた高校教師のパラサイト「田宮良子」は間もなく学校を去って黒幕的な立場となり、また新一は蘇生した直後に母親の仇討ちのために旅立つが、実写映画版では「A」は行方をくらまし、「田宮良子」は学校に残って、ミギーとの融合で変化した新一の観察を継続する。
- ^ 物語途中で他の部員から里美をモデルにしているのではないかと勘ぐられて怒り、剥離剤をかけて一度台無しにしている。なおこの剥離剤はその後、「島田秀雄」が正体を現した際に里美によって投げつけられ、原作において裕子が投げつけた硫酸の瓶の役回りを担う。
- ^ 劇中では幾度もAppleのロゴマークが描写されている。
- ^ 原作では数学教師という設定であった。
- ^ これも母性をテーマとして強調することを意図した変更の一環であることが読み取れる[17]。
- ^ ただし原作では里美の自宅であったのに対し、実写映画版では「後藤」との対決の場でもあるごみ焼却施設に捨てられている寝具の上というロケーションに変更されている。
- ^ 原作では裕子から投げつけられるが、実写映画版では里美から投げつけられる。原作では硫酸[23]であったと言及されていた薬品は、同年のテレビアニメ版と同じく油彩剥離剤。
- ^ a b 原作では「A」が「田宮良子」の策略によって爆殺され、テレビアニメ版では原作の描写に沿って大型の酸素ボンベで爆殺される様子が描写されているが、実写映画版では「島田秀雄」が「田宮良子」から手製の火炎瓶を投げつけられて負傷する展開となっている。
- ^ 原作では「田村玲子」の殺害を決断するのは「草野」の独断とされ[28]、その後の広川も「田村玲子」と「草野」らの間に何が起こったのかを掴みかねている描写になっている[29]。
- ^ やや上質の仕立てという設定で作られており[30]、あまりに役者の体型に細かく合わせて作られた背広であったので、役を演じた北村は撮影が終わったらそのまま貰えるのかと思ったほどだったという[26]。
- ^ 原作では、山中に不法投棄された産業廃棄物の山の上であった。
- ^ この設定変更については、ある放射線科医師により「科学考証上、放射性物質が悪影響を及ぼす過程について、映画鑑賞者に根本的な誤解を与える」との指摘がある。「寄生獣 完結編」終盤の問題について(TwitLonger より抜粋)
- ^ 原作では「後藤」との戦いの詳細が描かれ、彼の率いる特殊部隊が与えたダメージが新一の最後の戦いでヒントになるという役割が与えられていた。
- ^ 劇中では「島田秀雄」によって惨殺される場面で、里美から名前を呼ばれる描写がある。
- ^ 公式ウェブサイトの人物紹介一覧には掲載されておらず、また映画プログラムでもこの女子生徒の名前が「裕子」であるという短い言及があるのみで[19]、登場人物としての紹介はされていない。
- ^ ただし、このように映像化権の獲得を経て映画化が発表されながらも、企画段階のまま立ち消えとなってしまうことは、ハリウッド映画ではよくあることである[37]。
- ^ 多くの場面はCGが用いられているものの、模型を用いた部分もある。例えば主人公とミギーが入浴する場面は、水没する部分をすべてCGで表現することは技術的に困難であるため、ミギーの下半分は模型、目玉や手などの上半分はCGを用いている[40]。また前編のクライマックスにおいて、主人公の母親を乗っ取った「A」と決着を付ける場面でミギーが変形した剣は、CGではなく模型が用いられている[40]。
- ^ これは日本においては映画業界よりも、ゲーム業界の方が資金力を持っており、日本の映画業界が持っていない技術や施設を保有しているためであるという[9]。
- ^ ただし具体的な説明はされず、それがパラサイトが人造生命体であることを意味するのか、宿主側に残った人間性がそのような行動に駆り立てるという意味なのか、あるいは「後藤」の的外れな推測に過ぎないのかといった答えは示されない。
- ^ なお原作では、「田宮良子」が主人公を「A」と引き合わせるのは喫茶店で、「島田秀雄」はまだ登場していないという描写となっており、水族館が登場するのは実写映画版独自の描写である。
- ^ セットでの撮影現場でモーションキャプチャーの収録を同時に行うのは、本作が日本映画では初の試みであるとしている[26]。
- ^ 『完結編』公開前夜に前編をテレビ放送用に再編集(PG12指定を受けたシーンに配慮など)し、後篇(完結編)の一部も加えたアナザーバージョンに相当する作品となっている。監督自らが新たに書き下ろして物語の再構築を行い、ミギーによる回想の形式で描かれた内容になっている。特別版の制作にあたっては、阿部サダヲが新たに「ミギーの心の声」を収録している。
出典
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