完全世代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/13 04:53 UTC 版)
有性生殖は酵母では細胞の接合によって行われる。菌糸体を発達させるものでも菌糸の接合を行うものもあるが、生殖器官を形成するものもある。雌性生殖器として造嚢器を形成するものもある。これは多核の細胞がコイル状に蒔いたもので、先端には糸状の受精毛を持つ場合もある。雄性生殖器としては細長い糸状の造精器を形成するもの、発芽力がない小型の胞子といった姿の不動精子を作るもの、あるいは分生子としての機能も有する小分生子を作るものなどがある。これらが接合して完全世代となり、子実体や子嚢を作る。 交配の様式としては同一株では接合できない自家不和合性のものと自株内で接合が可能な自家和合性のものがある。前者では単一の子嚢胞子から発芽した菌糸同士では接合は行わないのが当然であるが、例外がある。後述のように子嚢胞子は減数分裂によって作られ、その後に体細胞分裂を1回して8個の胞子が形成される。ところが Neurospora tetrasperma や Podospora anserina などでは胞子は4個しか形成されず、個々の胞子には2個の核が含まれる。そのためこれらの種では単独で稔性があり、一見では自家和合性に見える。これを二次的自家和合性といい、このような菌糸体も異核共存体である。 遺伝学の研究には完全(有性)世代が必要である。古くから遺伝学に用いられてきたアカパンカビ Neurospora crassa は最初から完全世代が知られている。コウジカビ属Aspergillus は不完全菌類であるが、完全世代の知られるEmericella nidulans(=Aspergillus nidulans)が遺伝学の研究に用いられる。 なお、担子菌では接合後に菌糸が発達して菌糸体を新たに形成し、これを二次菌糸と言うが、子嚢菌類ではタフリナ類などをのぞいては二次菌糸は子実体にのみ見られる。
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完全世代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/10 05:11 UTC 版)
狭義のクラドスポリウムは、完全世代としてMycosphaerellaに似た形態を取り、Davidiellaという名が与えられている。 それ以外の広義クラドスポリウム属では、Cladophialophoraの完全世代としてCapronia、Fusicladiumの完全世代としてVenturiaなどが知られている。
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完全世代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/14 01:05 UTC 版)
完全世代はわかっていないものが多いが、子嚢菌門小房子嚢菌綱プレオスポラ目(クロイボタケ目)のプレオスポラ(Pleospora)がこの型の分生子を作ることが知られている。枯れた植物の茎の上に偽子嚢核を形成する菌である。完全世代が未発見のアルテルナリアについても、この属か、それに近縁な小房子嚢菌であろうと考えられている。
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完全世代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 09:15 UTC 版)
完全世代は小さな球形の上に口の空いた子実体を作り、それを子座と言われる菌糸で形成されたマットに埋もれた状態で形成する。外見上は、もこもこした菌糸の固まりで、表面に黒い点が並んだように見えるものである。色は概して明るい赤っぽい色で、朽ち木の表面や、あるいは堅いキノコの表面に出てくる。
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完全世代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 01:12 UTC 版)
フザリウムの完全世代は子嚢菌門核菌綱ボタンタケ科アカツブタケ属 (Nectria)、ジベレラ (Gibberella)、Calonectria、Hypomycesが報告されている。アカツブタケは小さな球形の子実体を多数、枯れ木の樹皮上に形成する菌である。ジベレラは紫色の子実体を形成するのが特徴である。 なお、アカツブタケ属の菌のアナモルフ(不完全世代)はフザリウムだけではなく、Cephalosporium、Cylindrocarpon、Verticilliumの形を取るものもあることが知られている。形は違うがいずれもフィアロ型の分生子形成型のものである。
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