宇宙の地平面とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 宇宙の地平面の意味・解説 

うちゅう‐の‐ちへいめん〔ウチウ‐〕【宇宙の地平面】

読み方:うちゅうのちへいめん

宇宙の地平線


観測可能な宇宙

(宇宙の地平面 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/04 01:58 UTC 版)

観測可能な宇宙
観測可能な宇宙の可視化。 このスケールは、細かい粒子が多数の超銀河団の集合を表すようなものである。天の川銀河の存在するおとめ座超銀河団は中心にマークされているが、小さすぎて見えない。
直径 8.8×1026 m or 880 Ym (28.5 Gパーセク or 930億光年)[1]
体積 3.566×1080 m3[2]
重さ 1.5×1053 kg[注釈 1]
密度 9.9×10−27 kg/m3 (1立方m内に6個の陽子が存在するのに等しい)[3]
年齢 137.87±0.20 億年[4]
平均温度 2.72548±0.00057 K[5]
中身
近赤外の全天概観により、銀河系(天の川銀河)から遠く離れた銀河の分布が分かる。[注釈 2]

ビッグバン宇宙論でいう観測可能な宇宙(かんそくかのうなうちゅう、observable universe)とは、中心にいる観測者が領域内の物体を十分に観測できるほど小さい、つまり、ビッグバン以後のどの時点でその物体から放出された信号であっても、それが光速で進んで、現在の観測者のもとに届くまでに十分な時間があるような球状の空間領域である。宇宙のどの場所にもその場所にとっての観測可能な宇宙があり、それは地球を中心とするものと重なる部分も重ならない部分もある。

概説

「観測可能」ということは、現代の技術でこの領域内の物体から放射されたエネルギーが検出できるかどうかとは無関係であり、その物体からの光やその他の放射エネルギーが地球上の観測者のもとに到達することが原理上可能だという意味である。実際に観察できるのは、宇宙が晴れ上がった「最終散乱面」にある物体までである。晴れ上がる前の宇宙は、光子に対して不透明であった。しかしながら、重力波(やはり光速で移動している)の検出によって、それ以前の情報を推定することもできないわけではない。重力波はインフレーション時代の遅くとも後期から発生しており、それによって数兆光年・あるいはそれ以上の遠方の宇宙を観測できる可能性がある(もちろんインフレーション時代の宇宙の姿の観測となる)。

観測可能な宇宙と全宇宙

観測可能な宇宙対数スケールで表した図。太陽系を中心としており、各天体には名称を付けている。太陽からの各天体の距離は、中心から端に向かって指数関数的に増加している。また、天体の形状が分かるように各天体を拡大している。


科学者から観測された事実として頻繁に発表・公表される宇宙の具体的な観測値は、あくまで観測可能な宇宙に関するものに限られている。

だが現代宇宙論の構築、宇宙のインフレーションなどの信頼できる多くの理論の説明では、観測可能な宇宙の外側に広がる広大な宇宙を含む、より巨大な全宇宙に関する考察が必要になる。

全宇宙が観測可能な宇宙よりも「小さい」ということも、もちろん可能である。その場合、非常に遠くにあるように見える銀河が、実は近くにある銀河の光が宇宙を一周してくることによって生じた複製像だということもあり得る。この仮説を実験によってテストするのは、銀河の異なる像がその一生の異なる時代を指すこともあり、結果としてまったく違うということにもなりかねないため、困難である。2004年のある論文[8]では、全宇宙の直径は、24ギガパーセク(780光年)が下限であると主張されており、その場合、観測可能な宇宙より少しだけ小さいということになる。この値はWMAPの観測をマッチング・サークル分析したものに基づいている。

仮に観測不可能な宇宙を含めた全宇宙が有限で閉じているとしても、観測可能な宇宙の範囲内では、曲率は無視できるほど小さいことから、宇宙全体の大きさは、光年単位を用いても「兆」などの日常的な数の尺度、あるいは命数法レベルの数の尺度ではなく、指数での表現が必要な大きさ、それもA×10Bといった単純な仮数指数表記ではなく、指数の上に指数を重ねた指数タワーでの表現が必要な大きさである。レオナルド・サスキンドは宇宙の直径を


宇宙の地平面 (宇宙の地平線)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/27 01:38 UTC 版)

事象の地平面」の記事における「宇宙の地平面 (宇宙の地平線)」の解説

宇宙の地平面とは観測可能なもっとも遠い宇宙空間あるいは宇宙時空であり、観測上の宇宙果て」である。一般的に宇宙膨張していると考えられており、距離が離れているほど地球からの後退速度宇宙論的固有距離の変化量宇宙時間微分した値)が速く、ある距離(ハッブル距離)以上は光速上の速さ離れる地球に向かう光が常に光速上で遠ざかる空間にとどまるという条件下では、その光は地球には永遠に届かない。このとき光が届く限界時空面を宇宙事象地平面という。事象地平面は我々が観測できる個々天体がどの時代の姿まで観測できるかを示している。 現在観測される天体なかには光速超えて地球から遠ざかっているものも存在するこのような天体観測できるのは、天体から放たれた光が光速上で遠ざかる空間から抜け出て次第地球からの後退速度緩やかな空間に入るからであり、「地球から光速遠ざかる空間=宇宙の地平面」ではない。赤方偏移Zの値が1.7程度天体は、今地球観測される光を放ったときちょうど光速遠ざかっていたので、これよりも赤方偏移大きな天体超光速地球から遠ざかっていたことになる。そのような天体はすでに1000程度観測されている。 また、現在地球から観測できる最も古い光が放たれた場所の、現在の位置光子粒子地平面という。現在の光子粒子地平面地球中心とする半径450光年の球の表面となり、この球面半径光速の約3.5倍の速さ大きくなり、我々が今観測している光を放ったとき(宇宙の晴れ上がり)には光速の約60倍もの速度遠ざかっていた。光子以外の粒子による粒子地平面光子それよりも遠く伸びる場合がある。たとえばニュートリノによる粒子地平面光子粒子地平面よりも大きいと考えられる。なぜなら光は直進できるようになるまで「宇宙の晴れ上がり」を待たねばならなかったが、ニュートリノそれ以前直進していると考えられるからだ。 また、私たち属す宇宙光子を含む電磁波観測によって関与できる空間限界を示す光子粒子地平面超えてはるかに広大に広がっていると考えられている。 「ビッグバン#地平線問題」も参照

※この「宇宙の地平面 (宇宙の地平線)」の解説は、「事象の地平面」の解説の一部です。
「宇宙の地平面 (宇宙の地平線)」を含む「事象の地平面」の記事については、「事象の地平面」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「宇宙の地平面」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「宇宙の地平面」の関連用語

宇宙の地平面のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



宇宙の地平面のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの観測可能な宇宙 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの事象の地平面 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS