字母の名前と音価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/13 02:07 UTC 版)
「ウェールズ語の正書法」の記事における「字母の名前と音価」の解説
下の表中の "N" と "S" は、ウェールズ語の北部および南部方言に特異的な変種を示している。ウェールズの至る所で、全ての子音字母が対応する子音にシュワーを加えたものを用いて命名されている別の体系(例えば èc を /kə/ と呼ぶ)も使われている。 字母名前対応する音日本語での近い音a a、アー /a, ɑː/ あ(短母音) / あー(長母音) b bi、ビー /b/ バ行の子音 c ec、エク /k/ カ行の子音 ch èch、エヒ /χ/ 強く発音した時の「は」の子音に近い。loch(スコットランド語)。 d di、ディー /d/ 「だ」、「で」、「ど」の子音 dd èdd、エズ /ð/ 日本語には存在しない。英語のthese。 e e、エー /ɛ, eː/ え(短母音、口を広めに)/ えー(長母音、口を狭めに) f èf、エヴ /v/ 日本語には存在しない。英語のof。 ff èff、エフ /f/ 日本語には存在しない。英語のfour。 g èg、エグ /ɡ/ ガ行の子音 ng èng、エング /ŋ/ カ行・ガ行の前の撥音ん(健康 けんこう)。 h aets、アェッ、アーイチ(N)、アイチ(S) /h/ 「は」、「へ」、「ほ」の子音 i i、i dot (S)、イー、イー・ドット /ɪ, iː, j/ 長母音は日本語の「い」に近い。bit(短母音)/ machine(長母音)/ yes(子音として; 母音の前) j je、ジェー /d͡ʒ/ 語頭および「ん」の後の「じ」・「じゃ」行の子音に近い。英語のjump(借用語でのみ見られる。大抵は英語由来。) l el、エル /l/ 「ん」の後にくるら行の子音で使われることが多い。英語のlad。 ll èll、エス /ɬ/ 日本語や英語には存在しない。無声歯茎側面摩擦音。 m em、エム /m/ マ行の子音 n en、エヌ /n/ ナ行の子音 o o、オー /ɔ, oː/ 日本語の「お」に近い。短いオは少し狭く、長いオーは少し広く。 p pi、ピー /p/ パ行の子音 ph ffi、フィー /f/ 日本語には存在しない。英語のphone。 r er、エル /r/ 巻き舌のら行の子音。 rh rhi、フリー /r̥/ 無声の巻き舌の音。 s ès、エス /s/ 「さ」「す」「せ」「そ」の子音。 t ti、ティー /t/ 「た」「て」「と」の子音 th èth、エス /θ/ 日本語には存在しない。英語のth。 u u (N), u bedol (S)、イー、イー・ベドル /ɨ̞, ɨː/ (N)/ɪ, iː/ (S) 日本語には存在しない。南部の変種: 英語のbit(短母音)/ machine(長母音); 北部方言の /ɨ̞, ɨː/ は英語にも存在しない。ルーマニア語の "î" および "â" と同一。英語の roses の "e" に似ている。 w w、ウー /ʊ, uː, w/ 長母音は西日本方言の「う」や、標準語での「うー」の音に近い。英語のbook(短母音) / pool(長母音) / wet(子音として) y ỳ、ア、アー /ɨ̞, ɨː, ə/ (N),/ɪ, iː, ə, əː/ (S) 南部の変種: 英語のbit(最終音節、短母音)/ machine(最終音節、長母音) above(その他の場所、短母音)/ roses /ɨ̞, ɨː/、"Rosa's" と "roses" を区別する特定の英語方言(例えば一般米語)で見られる。 註 ^ a b c 文字列siは後ろに母音が続く時は /ʃ/ を示す。同様に、diおよびtiは後ろに母音が続くときにそれぞれ /dʒ/ および /tʃ/ を示す時があるが、これらの音は借用語ではjẁg "jug" や wats "watch" のようにjおよびtsと綴られる。 ^ 音素 /h/ を表わすことに加えて、hは書記素mh、nh、ngh、およびrhにおいて無声性(英語版)を示す。また、ギリシア語由来のほとんどの単語 (例えば ffotograff) が ff で綴られているものの、ギリシア語由来の単語(例えば phenol )において、pの帯気変異(英語版)を示す二重音字 ph がごくまれに見られることがある。 ^ a b 北部では、字母uとyは、/ɨ̞, ɨː/ではなく、南部と同じように /ɪ, iː/ と時折発音される。これは、先行する母音が /ɪ/ の時、またはyの前または後ろがg /g/ の時、または後ろがw /u/ の時に通例であり、二重母音が形成される。“Morffoleg y Gymraeg”. Geiriadur yr Academi. Bangor University. 2014年7月25日閲覧。 ^ 母音字母yは強勢のない単音節単語(例えば定冠詞 y、や fy "私の")または非末音節(強勢のあるなしにかかわらない)では /ə/ を示すが、語末の音節(強勢のあるなしにかかわらない)では /ɨ̞, ɨː/ (N) または /ɪ, iː/ (S) を示す。
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