大須戸能とは? わかりやすく解説

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大須戸能

名称: 大須戸能
ふりがな おおすどのう
種別1: 民俗芸能
保護団体名: 大須戸能保存会
選択年月日 1999.12.03(平成11.12.03)
都道府県(列記): 新潟県
市区町村(列記): 岩船郡朝日村大字大須戸
代表都道府県 新潟県
備考
解説文:  大須戸能は、大須戸地区住民により伝承され能狂言で、山形県東田川【ひがしたがわ】郡櫛引町【くしびきちよう黒川黒川能系統を引くものであり、現在は四月三日八坂神社の春の例祭神社能舞台演じられるほか、八月十五日には薪能たきぎのう】としても公開されている。
 その起源は、弘化元年一八四四)に大須戸訪れ庄屋中山惣右衛門【よそうえもん】家に滞在した庄内黒川能役者甚助【たこいじんすけ】が、大須戸村人式三番および黒川能下座【しもざ】伝承一五曲を教えたことに始まると伝えられ嘉永四年(一八五一以降八坂神社での演能記録残っており、少なくとも一五〇年以上の伝承確認できる。また嘉永五年(一八五二)の古文書には、長年伝承してきた能衣装破損したため神社奉納を願う旨の記述がみられ、黒川能が伝わる以前にも、何らかの形で大須戸において能が行われていたとも考えられているが、現在の伝承黒川能伝来以後のものしか確認されていない
 さらに明治期に能一〇番と、狂言一二番も伝承され、現在は能二六番式三番脇能わきのう】物五番修羅【しゆら】物三番雑能ざつのう】物五番切能きりのう】物一二番)および狂言一一番が伝承となっている。このうち儀式能として重んじられる式三番については世襲制がとられており、翁【おきな】は中山左衛門家、千歳せんざい】は中山栄作家、三番叟さんばそう】は中山一家が伝えている。
 大須戸能の特色としては、一語一語ナビキがつく謡や笛方が他の囃子方に対して直角の位置につくなど、黒川能形態共通する部分が多いが、黒川能頭屋座敷および春日神社拝殿内という屋内行われるに対して、大須戸能は当初から能舞台での演能伝承されているため、謡・囃子所作ともに黒川能より大きめである。
 使用される装束は、近年専門店から購入したもののほか、晴れ着帯地などを利用して手作りしたものもあり、地域人びとの能に対す工夫偲ばせる。なお、八坂神社能舞台は、古く組立式の舞台であったが、現在のもの昭和六十三年新設され常設舞台である。
 以上のように大須戸能は、黒川能影響受けて主としてその芸能要素伝えてきたものであり、民俗芸能伝播の姿を示し芸能変遷過程を知るうえで重要である。



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