大衆的フィクションとしてのスチームパンクとは? わかりやすく解説

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大衆的フィクションとしてのスチームパンク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/24 20:15 UTC 版)

スチームパンク」の記事における「大衆的フィクションとしてのスチームパンク」の解説

1982年アメリカのテレビドラマ Q.E.D.エドワード朝イングランド舞台とし、サム・ウォーターストン演じ教授主人公である。この教授発明家で、科学用いたシャーロック・ホームズのような探偵ものになっている1988年初版登場した歴史改変SFロールプレイングゲーム Space: 1889 ではヴィクトリア朝時代の後に否定され科学理論真実となっている世界舞台とし、現実世界とは異な科学技術発展したという設定である。 ウィリアム・ギブスンブルース・スターリング1990年小説『ディファレンス・エンジン』は、スチームパンク広く知らしめた作品としてよく引き合い出される。この小説ギブスンスターリングサイバーパンク作法歴史改変ヴィクトリア朝適用したもので、エイダ・ラブレスチャールズ・バベッジ考えた階差機関(ディファレンス・エンジン)と呼ぶ蒸気機関駆動コンピュータ実際に作られ現実よりも1世紀以上早く情報化時代到来した世界描いている。ただし多くスチームパンク作品楽天的ユートピア的なのに対して、この作品暗く懐疑的である。日本語訳書アオリから引くならば「サイバーパンク教祖煽動者が紡ぐ記念碑的傑作」とされ、著者一方であるスターリング同作について「きわめてサイバーパンク的でもある」と明言している。このため当初は「サイバーパンク側からスチームパンク対す一種返答カウンター)的な作品」と受け止められた。現在では「現代科学参照した蒸気ガジェット世界観溢れスチームパンク」として、スチームパンク主要な作品扱われることもある。SF評論家の巽孝之同作寄せた解説で「サイバーパンク史上にもスチームパンク史上にも残る」としている。 フォックス1993年から1994年放送したテレビドラマ The Adventures of Brisco County, Jr1890年代舞台とし、登場人物であるウィックワイア教授様々なものを発明するアラン・ムーアとケヴィン・オニールのグラフィックノベルシリーズ『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』(1999) (および2003年製作の映画版)もスチームパンク広めることに大きく貢献したNick Gevers の2008年アンソロジー Extraordinary Engines は、このジャンル優秀な作家や他のSF作家ファンタジー作家がネオ・ヴィクトリア朝を舞台として書いた新たなスチームパンク作品集めている。その序文スチームパンク先駆けとして、マイケル・ムアコックの The Dancer at the End of Time と A Nomad of the Time Streems、ブライアン・オールディスFrankenstein Unboundハワード・ウォルドロップとスティーヴン・アトリーによる Custer's Last JumpBlack as the Pit挙げられている。同年、ジェフ・ヴァンダーミア(英語版)らによるその名もずばり Steampunk題したアンソロジー出版された。この両方作品収録されているジェイ・レイク(英語版)の代表作 Mainspring は「クロックパンク」と呼ばれることもある。後者アンソロジーには他に、スチームパンク作家とされているジェイムズ・P・ブレイロック作品先述したマイケル・ムアコック作品、『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』への注釈知られているジェス・ネヴィンズ(英語版)の作品など収録されている。 初期スチームパンク歴史上設定があることが多かったが、その後スチームパンク要素ファンタジー世界持ち込んだ、どの時代かも定かでない作品見られるうになる前者歴史的スチームパンク歴史改変SF要素があり、歴史上の実在の場所や人物登場しつつ、架空テクノロジー登場するファンタジースチームパンクとしては、チャイナ・ミエヴィルの『ペルディード・ストリート・ステーション』、アラン・キャンベル英語版)の Scar Night などがあり、さらに完全なファンタジー世界で伝説モンスターなどと蒸気機関時代などの時代錯誤テクノロジー共存している作品もある。 自ら "far-fetched fiction"(ありそうもないフィクション作家名乗るロバート・ランキン(英語版)は、スチームパンク要素作品取り入れるようになっている2009年にはヴィクトリアン・スチームパンク協会フェロー選ばれた。

※この「大衆的フィクションとしてのスチームパンク」の解説は、「スチームパンク」の解説の一部です。
「大衆的フィクションとしてのスチームパンク」を含む「スチームパンク」の記事については、「スチームパンク」の概要を参照ください。

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