大提灯
大提灯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 04:00 UTC 版)
雷門。上:雷門の6基目の大提灯。中:畳まれる「雷門」の字。下:底面は木彫りとなっている。 雷門にかかる大提灯は浅草のシンボルとなっている。 提灯が吊るされるようになったのは前述のように1795年で、雷門の屋根職人らが奉納したといわれる。歌川広重『浅草雷門前』の浮世絵では「志ん橋」(新橋)と書かれた大提灯が吊り下げられていたことがわかる。幕末の雷門の焼失後、1960年に松下幸之助の寄進により再建された際に、「雷門」と書かれた大提灯も同時に奉納された。 大提灯の大きさは高さ3.9メートル、直径3.3メートル、重さ約700キログラム(2000年代以降に新調されている大提灯)。本体は京都府亀岡市産の竹の骨組みに、福井県産のコウゾ100%の和紙を約300枚を貼り合わせて製作する。上下の張り輪には金属製の化粧輪が、また下輪の正面には「松下電器」と書かれた金細工の銘板も取り付けられている。なお、松下電器は2008年にパナソニックへ社名変更したが、2020年に下輪を新調した際、銘板は従来通り「松下電器」表記のままとされた(ただし、背面の寄贈者銘板に「現 パナソニック株式会社」と小書きされるようになった)。底部分の竜の彫刻は初代提灯から引き継がれている。 1971年から京都市下京区の高橋提燈が制作しており、約10年ごとに新調されている。提灯は規模が大きく高速道路の料金所を通過できないため、京都から東京まで一般道を大型特殊トラックで2日がかりで輸送する。 2003年 - 江戸開府400年を記念して改めて新調された際、提灯は従来の物より一回り大きくなった(従来の物は約670キログラムであった)。 2013年 - 5基目に新調 2020年 - 6基目に新調(前年の気候による劣化進行や東京五輪を控え、早期新調された)。金具部分を初めて新調。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴い、奉納式は中止された。 三社祭の際には、神輿が下を通るため提灯が持ち上げて畳まれる。また、台風接近時や強風時にも破損を防ぐために畳まれる。
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