地球に近い大きさの惑星とソーラーアナログ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/02 06:57 UTC 版)
「ハビタブルゾーン」の記事における「地球に近い大きさの惑星とソーラーアナログ」の解説
最近では、大きさや質量が地球に似ていると考えられている惑星も発見されるようになってきた。「地球規模(Earth-sized)」といえる惑星の範囲は、通常は質量によって定義されている。一般的に1.9地球質量が「スーパーアースクラス」の定義域の下限として用いられることが多く、一方で、地球よりも小さい惑星の分類である「サブアースクラス(sub-Earth class)」は金星質量(0.815地球質量)以下の範囲となる。半径が1.5地球半径を超える場合、中心部のにある岩石質の核より上にある体積の大部分が揮発性の物質になるため、半径が大きくなると惑星の平均密度が急速に小さくなる。これを考慮して地球規模の惑星の上限半径を1.5地球半径とすることもある。とても地球に似ている惑星の分類であるアースアナログ(英語版)(もしくはアースツイン)に分類されるには、大きさや質量以上に多くの条件を満たす必要がある。しかし、そのような特性を観測することは現在の技術では不可能である。 太陽に似ている恒星はソーラーアナログ(またはソーラーツイン)に分類される。今日までに、太陽と特性が完全に一致する太陽の「双子星」はまだ知られていないが、特性がほとんど一致する太陽の「双子星」と考えられる恒星がいくつか存在している。太陽と同じG2V型のスペクトル分類、5,778 Kの表面温度、一致した金属量を持ち、形成から約46億年が経過しており、光度の変化が0.1%になっている恒星が正確な太陽の「双子星」となる。形成から46億年が経過した恒星は最も安定した状態にある。適切な金属量や大きさもまた、小さな光度変化ことに対して非常に重要なものとなる。 NASAのケプラー宇宙望遠鏡とW・M・ケック天文台によって収集されたデータから、銀河系内に含まれる太陽のような恒星の22%がそのハビタブルゾーン内に地球規模の惑星を持つと推定されている。 2013年1月7日、ケプラーのミッションチームに属する天文学者たちは、太陽に似た恒星ケプラー69を公転する、地球の1.7倍の大きさを持つ地球規模の太陽系外惑星候補ケプラー69c(KOI-172.02)の発見を発表した。この惑星はハビタブルゾーン内にあり、居住に適した環境になっていると予想された。しかし、現在では暴走温室効果により表面は金星のような環境になっていると考えられている。同年4月19日には、ケプラーチームはケプラー62のハビタブルゾーン内を公転する2つの惑星の発見が発表された。これらの惑星はケプラー62eとケプラー62fと呼ばれており、それぞれ地球の1.6倍と1.4倍の大きさを持つ。 2014年4月に発見が発表された地球の1.1倍の大きさを持つ惑星ケプラー186fは、質量が知られておらず、主星もソーラーアナログではないにも関わらず、トランジット法によって発見された最も地球に大きさが近い惑星である。 2014年6月に発見されたカプタインbは12.8光年離れた位置にある赤色矮星カプタイン星のハビタブルゾーン内を公転しており、地球の約4.8倍の質量を持つ岩石惑星で、半径は地球の1.5倍ほどと推定されている。しかし、2015年には存在を疑問視する研究結果も報告されている。 2015年1月6日、NASAはケプラー宇宙望遠鏡によって発見された太陽系外惑星が1,000に達したと発表した。それと同時にハビタブルゾーン内を公転する新たな3つの惑星ケプラー438b・ケプラー440b・ケプラー442bが発表された。そのうちケプラー438bとケプラー442bは地球に近い大きさで、おそらく岩石から構成されている。残るケプラー440bはスーパーアースとされている。同年1月16日に発見が発表された惑星K2-3dは地球の約1.5倍の半径を持ち、主星K2-3のハビタブルゾーン内を公転しており、地球よりも1.4倍多くの可視光放射を受けていることが判明している。 2015年7月23日に発見が発表されたケプラー452bは地球よりも50%大きく、おそらく岩石から成るとされている。G型星(ソーラーアナログ)に分類される恒星ケプラー452のハビタブルゾーン内を385日かけて公転している。主星や軌道要素が地球のものと似ているため、発表において「Earth 2.0」や「地球のいとこ」といった表現が用いられた。 2016年7月、227光年離れた位置にある赤色矮星K2-72の周囲を公転している潜在的に居住可能な2つの惑星が、ケプラーの延長ミッションであるK2ミッションでの観測で発見された。これらの惑星はK2-72dとK2-72eと呼ばれ、両社共に地球とほぼ同じ大きさで、主星から受ける放射量もほぼ同等である。 2017年2月には、約40光年離れた超低温矮星TRAPPIST-1のハビタブルゾーン内を、すでに2016年5月に存在が発表されていた惑星を含めて複数の惑星が公転していることが判明したと発表された。 2017年4月20日に発見が発表された高密度惑星LHS 1140bは、地球の6.6倍の質量と1.4倍の半径を持ち、主星のLHS 1140は太陽の15%ほどの質量で、大部分の赤色矮星よりもフレアなどの恒星活動が弱い。LHS 1140bはトランジット法とドップラー分光法(視線速度法)の両方によって検出されている数少ない惑星で、大気を観測できる可能性がある。 2017年6月にドップラー分光法で発見された、地球の約3倍の質量を持つ惑星ルイテンbは、12.2光年離れた位置にあるルイテン星のハビタブルゾーン内を公転している。 11光年離れた位置にある、恒星活動が比較的静かな赤色矮星ロス128の10年間に渡る視線速度のデータの調査により、2017年11月に惑星ロス128bが発見された。地球の1.35倍の質量を持ち、地球規模の大きさで岩石で構成されていると考えられている。 2018年3月に発見された惑星K2-155dは、地球の1.64倍の半径を持った岩石惑星と考えられており、203光年離れた赤色矮星のハビタブルゾーン内を公転している。 2019年6月、12.5光年離れた位置にある暗い赤色矮星ティーガーデン星のハビタブルゾーン内に地球とほぼ同等の質量を持つ2つの惑星が発見されたと発表された。 ケプラーが発見した注目の太陽系外惑星ハビタブルゾーン内で発見された小型の太陽系外惑星(ケプラー62e・ケプラー62f・ケプラー155c・ケプラー186f・ケプラー235e・ケプラー283c・ケプラー296e・ケプラー296f・ケプラー438b・ケプラー440b・ケプラー442b・ケプラー452b)
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