地方議会議員年金
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 10:37 UTC 版)
1961年(昭和36年)7月に地方議会議員互助年金法に基づく任意加入の互助年金制度として発足し、1962年(昭和37年)12月に地方公務員共済組合法に基づく強制加入の年金制度に移行された。地方議会議員の年金は、「地方公務員等共済組合法 第11章地方議会議員の年金制度」で定められていた。 受給資格:在職12年 掛金:都道府県議会は月額報酬の13%、市町村議会議員は月額報酬の16%、期末手当にも一定の掛金 受給額:年額平均約95万円(都道府県議会議員約195万円、市議会議員103万円、町村議会議員68万円、いずれも2007年度平均) その他:年金の運営にあっては、都道府県及び市町村より約40%の公費が支出されていた。 平成の大合併で地方自治体の数が減り、また、地方自治体の行財政改革で議員定数が削減されていったこともあり、掛金を払う現役議員の総数は減ったが支給される元議員が増えたため、共済会の財政は逼迫した。市議と町村議が加入する共済会は2008年(平成20年)度にも積立金が枯渇するのではという懸念が報道されたりもした。 2003年(平成15年)4月に議員共済会の財政状況が赤字のため、掛金率増、特別掛金率増、公費負担率増、給付削減等の制度改正が実施された。 2006年(平成18年)6月に「地方公務員等共済組合法の一部を改正する法律(平成18年法律第63号)」が成立、2007年(平成19年)4月1日施行となり、年金減額となったが、これを避けるために3月に“駆け込み辞職”する地方議員が現われ、各地で問題となった。また議員年金への掛金や公費負担は強制であるが、これに反発する動きもあった。 2008年(平成20年)12月には2012年(平成24年)度にも破綻するとの試算がまとめられ、これを受け2009年(平成21年)春には総務省内に有識者会議「議員年金制度検討会」が設置され、同年11月2日に議員年金制度そのものの廃止案を諮問。2010年(平成22年)12月3日に総務省が全国都道府県議長会など3つの議会議長会会長に2011年(平成23年)6月1日をもって制度を廃止する案を提示した。有識者会議は廃止案のほかに存続案も2つ提示していた。同年3月11日に地方議会議員年金を廃止する改正地方公務員等共済組合法案が閣議決定され、5月20日に参院本会議で可決、成立した。これにより2011年(平成23年)6月1日で年金制度は廃止となった。既に退職した議員には高額所得者については減額する措置を取りながら引き続き年金を支給。現職議員には掛け金の80%を一時金として支払い、現職でも在職12年以上で年金受給資格がある場合は引き続き掛け金を払って退職後に年金を受け取ることもできる。完全廃止までの既存支給者への給付のために各地方自治体からの公費負担があてられることとなっている。 なお、首長は議員ではなく常勤職員であるため(内閣総理大臣と異なり、議員である必要はない)、一般地方公務員と同様、共済組合に加入している。
※この「地方議会議員年金」の解説は、「議員年金」の解説の一部です。
「地方議会議員年金」を含む「議員年金」の記事については、「議員年金」の概要を参照ください。
- 地方議会議員年金のページへのリンク