地域ブランド化の取組
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/25 14:25 UTC 版)
「ルビーロマン」の記事における「地域ブランド化の取組」の解説
ブドウ石川1号は品種登録に先立ち2004年(平成16年)に公募でルビーロマンと命名された。石川県はルビーロマンの地域ブランド化を目指して2005年(平成17年)に戦略作物に選定し、栽培農家との間で有償無償を問わず第三者に苗を譲渡しないとの誓約書を交わすなど苗木の流出を防ぐとともに、2007年(平成19年)には首都圏での販売戦略を総括するブランド食材プロデューサーを民間から起用した。 ルビーロマンは、房の重さ(出荷初年度の2008年(平成20年)は一房450g以上、2年目からは一房350g以上)、一粒当たりの重さ(20g以上)、糖度(18度以上)、色などの出荷基準が定められており、規格外品は販売することができない。規格は、秀、秀G、特秀、特秀G、プレミアムの5段階で、最上級のプレミアムは一房が約700g以上、一粒当たりの重さが約30g以上とされている。「G」は秀と特秀の房のうち一粒当たりの重さがプレミアムと同じ約30g以上のものに付される。 また品質保証の取組として、出荷箱に生産地と生産者が記入されたシールが貼られるほか、房には基準に合格したことを示す認証シールが貼られ、品質検査を行ったJAの検査員名の印が押された認証タグが取り付けられることとされている。ブランドイメージを表すロゴは商標登録されている。 2008年(平成20年)に金沢市中央卸売市場で行われた初競りでは最高値が一房10万円となった。以後各年の初競りでの最高値(一房)は、2009年(平成21年)21万円、2010年(平成22年)20万円、2011年(平成23年)50万円であり、平均落札価格は2011年(平成23年)で一房6,110円と総じて高値で取引されている。また、近年は初競りにおいて高値で落札される傾向があり、北陸新幹線が金沢駅まで開業した2015年(平成27年)は100万円、2017年(平成29年)は111万円で落札された。2019年(令和元年)に120万円、2020年(令和2年)には130万円、2021年(令和3年)は140万円で落札され、3年連続で最高値を更新している。 2021年8月時点では、県内のほか東京都、大阪府へと出荷されている。2021年には最高等級の一房が東京の市場において10万円で競り落とされている。それらはすべてトラックのチャーター便で輸送されているが、費用対効果の面から北陸新幹線を利用しての輸送が検討されている。 一方、出荷量は2011年で8,522房と少なく、栽培技術の向上や作付面積の拡大が求められている。また規格外品の有効活用が課題とされる。2010年からはブランドイメージを損なわない有効活用策として加工品認証制度が設けられ、2011年に洋菓子など5商品が選定されている。
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