問題点と評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 20:48 UTC 版)
オーストラリアではクリケットが人気の高いスポーツとなっているがオーストラリア・クリケット協会(英語版)は2000年代に競技場内でのウェーブを禁止した。これはウェーブの行為自体が問題視されたのではなく、観客がウェーブを実施するのと同時に所持品の投げ入れが行われたり、ビールなどのアルコール飲料や尿が入ったプラスチック製コップなどの液体物が投げ入れられていたことや、物の投げ入れにより負傷者が発生していたことに対する措置だった。 2007年、イギリスのジャーナリストであるジェレミー・ウォーカーは同年7月1日にカナダのブリティッシュコロンビア州ビクトリアで行われたFIFA U-20ワールドカップの日本対スコットランド戦での観客の反応や観戦マナーについて次のように評した。 試合会場の雰囲気はまったく常軌を逸していた。そして、この状況をさらに悪化させたのが、後半のウェーブ。無粋なことを言って申し訳ないのだが、FIFAはすべてのサッカー・グラウンドでのウェーブを禁止すべきだ。ウェーブを引き起こしたと認められた人物はただちにスタジアムから追い出し、スタジアムへの立ち入りを生涯にわたって禁止すべきである。ウェーブは、皆が楽しんでいるということを示すものではなく、退屈しているという証拠。サッカー人生を変えることになるかもしれない瞬間に全身全霊を傾けている選手たちに、失礼である。 — ジェレミー・ウォーカー 2010年、ドイツの『デア・シュピーゲル』誌はウェーブについて「観客は個々人の参加意思は自由であるにも関わらず一旦ウェーブが発生すれば、その場から逃れることは出来ない。仮にボイコットしたとしても前の席の観客が飛び上れば視線は遮られ試合観戦に集中することは出来ないからだ。またボイコットした者はパーティを白けさせる者と見做され容赦なく批判を受ける」と紹介した。 2010年、英国放送協会 (BBC) はサッカージャーナリストのクリス・ハントの「メキシカンウェーブはやや時代遅れである」との発言や、ウェーブの創始者を名乗っているヘンダーソンやワシントン大学が2010年代において、ほとんどウェーブを実施しないことを例に挙げて「多くの人々にとってウェーブは退屈なものに感じられている」と紹介した。同じくBBCは欧米におけるウェーブの受容のされ方について「試合内容に盛り上がりを欠きピッチにおいて特筆するべき事象が何も発生していない時に、ファンが自ら購入したチケットの費用に見合うだけの対価を引き出す手段として実施される」と紹介した。
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