呼/セッション制御 (CSCF)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/23 09:53 UTC 版)
「IPマルチメディアサブシステム」の記事における「呼/セッション制御 (CSCF)」の解説
Session Initiation Protocol (SIP) サーバやプロキシのいくつかの役割をまとめて Call Session Control Function (CSCF) と呼び、IMSでのSIP信号パケットを処理するのに使う。 Proxy-CSCF (P-CSCF) はSIPプロキシであり、IMS端末が最初に接触する。訪問先ネットワークにある場合(完全なIMSネットワーク)とホームネットワークにある場合(訪問先ネットワークがIMS準拠でない場合)がある。Session Border Controller をこの用途に使うネットワークもある。DHCPで端末がP-CSCFを発見するか、PDP Context で割り当てる(GPRSの場合)。P-CSCFはIMS端末の登録時に割り当てられ、登録期間中は変更されない。 P-CSCFは全ての信号メッセージが通る経路上にあり、全てのメッセージを調べることができる。 P-CSCFはユーザーを認証し、IMS端末とのIPsecセキュリティを確立する。これにより偽装攻撃や反射攻撃を防ぎ、ユーザーのプライバシーを守る。他のノードはP-CSCFを信頼し、ユーザーを再び認証することはしない。 SigCompを使ってSIPメッセージの圧縮・伸長を行うことができ、それによって低速な無線リンクの遅延を小さくできる。 Policy Decision Function (PDF) がP-CSCFに含まれる場合がある。PDFはメディア層リソースを認可し、メディア層の Quality of Service (QoS) を実現する。PDFはポリシー制御や帯域幅管理などに使われる。PDFは独立した機能として実装されることもある。 P-CSCFは課金用記録も生成する。 Serving-CSCF (S-CSCF) は信号層の中心的ノードである。S-CSCFはSIPサーバであり、セッション制御を実行する。常にホームネットワークに位置する。DIAMETERのCxおよびDxインタフェースを使い、HSSにユーザープロフィールのダウンロード/アップロードを指示する。S-CSCFにはユーザーに関するローカルなストレージは存在しない。必要な情報は全てHSSからロードする。SIP登録を扱い、ユーザーの位置(例えば端末のIPアドレス)とSIPアドレスを結びつける。 全ての信号メッセージが通る経路上にあり、全てのメッセージを調べることができる。 SIPメッセージの転送先としてどのアプリケーションサーバが適切かを判断する。 ルーティングサービスも提供する。通常、ENUMルックアップを使う。 ネットワークオペレータのポリシーを実施する。 負荷分散や高可用性のために複数のS-CSCFを配備することもできる。その場合I-CSCFが要求したとき、HSSがどのS-CSCFを割り当てるかを決める。 Interrogating-CSCF (I-CSCF) は管理ドメインの端に位置するSIP機能の1つ。そのIPアドレスはそのドメインの Domain Name System (DNS) によって公開されるので(DNSレコードとしてはNAPTRやSRV形式を使用)、リモートサーバが探し出すことができ、ドメイン間のSIPパケットの転送点として使われる。I-CSCFはHSSに対してDIAMETERのCxインタフェースでユーザー位置情報を要求し(DxインタフェースはI-CSCFからSLFに対して使い、HSSを特定する)、SIP要求を割り当てられたS-CSCFにルーティングする。Release 6 までは外界から内部ネットワークを(SIPメッセージの一部を暗号化することで)隠蔽する役目も持つことがあり、その場合は Topology Hiding Inter-network Gateway (THIG) と呼ばれていた。Release 7 からはその機能はI-CSCFから分離され、Interconnection Border Control Function (IBCF) の一部となった。IBCFは外部ネットワークとのゲートウェイとして働き、NATおよびファイアウォール機能を提供する。
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