各地域の地域個体群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 07:48 UTC 版)
「ニホンツキノワグマ」の記事における「各地域の地域個体群」の解説
下北半島のツキノワグマ(下北半島個体群) 1998年における下北半島の森林率は79 %で減少傾向にあり、一方で人工林率は43 %で増加傾向にある。2008年の時点での生息数は120 - 270頭と推定されている。 絶滅のおそれのある地域個体群(環境省レッドリスト) 紀伊半島のツキノワグマ(紀伊半島個体群) 古くから林業地帯であり第二次世界大戦後の人工林増加もあり、人工林率は絶滅のおそれがある地域の中でも最も大きい。1994年に奈良県と三重県・和歌山県では、狩猟による捕獲が禁止されている。1965年における生息数は335頭、1987年と1999年における生息数はそれぞれ180頭と推定されている。 絶滅のおそれのある地域個体群(環境省レッドリスト) 東中国地域のツキノワグマ(中国地方東部個体群) 人工林の増加、道路建設やスキー場建設、イノシシ用の罠による混獲などによる影響が懸念されている。 絶滅のおそれのある地域個体群(環境省レッドリスト) 西中国地域のツキノワグマ(中国地方西部個体群) 自然林の減少、住宅地や人工林の増加、スキー場開発や別荘地造成、イノシシ用の罠による混獲などによる影響が懸念されている。1994年に島根県と広島県・山口県では、狩猟による捕獲が禁止されている。一方で有害駆除は行われており、2006年に239頭、2008年に67頭、2010年に182頭が捕獲されている。1998 - 1999年度における生息数は280 - 680頭、2004 - 2005年度における生息数は300 - 740頭と推定されている。 絶滅のおそれのある地域個体群(環境省レッドリスト) 四国山地のツキノワグマ(四国個体群) 1970年代後半に愛媛県・香川県では絶滅し、1990年代以降は確実な生息が報告されているのは剣山周辺(高知県北東部・徳島県南西部)に限定される。分布域が非常に限定的であることにくわえて、イノシシやニホンジカ用の罠による混獲・道路建設による影響が懸念されている。1986年に高知県、1987年に徳島県、1994年に四国全域で狩猟による捕獲が禁止されている。1996年時点での徳島県における生息数は12頭以上、高知県における生息数は2 - 10頭と推定されている。 絶滅のおそれのある地域個体群(環境省レッドリスト) 九州のツキノワグマ 九州の個体群は捕獲例が1941年、確実な目撃例が幼獣の死骸が発見された1957年以降はなく絶滅したと考えられている。1987年に捕獲例もあるが、頭骨の計測から中国地方以北の個体であることが示唆され、ミトコンドリアDNAの分子系統解析でも福井県から岐阜県にかけての個体群と一致する解析結果が得られた。そのため琵琶湖以東の個体あるいは琵琶湖以東の個体に由来する個体が人為的に移入された後に捕獲されたと考えられている。祖母・傾山系や九州山地・脊振山地では目撃例があるが、仮に野生個体がいても本州からの移入個体が発見されたという前例から遺伝的解析を行わないと九州の個体群とは断定できないという問題がある。
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