各国における現状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/28 05:58 UTC 版)
日本と同じ米作地帯である中華人民共和国、中華民国(台湾)、朝鮮半島(韓国と北朝鮮)、タイの一部でも、おにぎりは作られる。世界的に炊飯前に米を研ぐという風習はあまりなく、そうして炊かれた飯は冷めると味が落ちる。調味しない飯を食す習慣も持つ中国や朝鮮半島では「炊いた飯は温かい状態で食べるもの」という意識が強い。おにぎりなどの冷や飯に対し「施しを受けた下賤な者が仕方なく食べる物」「やむを得ない場合の携行食」といった悪いイメージが根強い。 中国では「飯糰」(ファントゥアン、「飯団子」の意)と呼ぶ。福建省には「草包飯」(ツァオバオファン、cǎobāofàn)というおにぎりの一種があるが、これはご飯の中に肉、ソーセージ、椎茸などを具として入れ、これらを編んだ草の袋に詰め込んで携行するものである。 タイでは、おにぎりに不適なインディカ米を主食としているが、うるち米ではなくもち米(カオニャオ)を主食とするタイ東北部では、球状にまとめた米飯を草の葉に包んで携行するという習慣が伝統的に見られる。 中華民国では、駅弁や寿司なども含め、日本料理が広く知られていることもあり、おにぎりに対して下賤なイメージは以前ほどない。現地で売られているおにぎりは日本のものとは異なり、もち米で作られている場合がある。具材も肉鬆(豚肉の田麩)や揚げパンなど、日本のものとは少々趣が異なる。四角状で通常の1.5倍程度の大きいものに人気がある。 日系企業のコンビニエンスストアが台湾や上海などに上陸し普及するようになって、現地で日本式のおにぎりも人気を博した。これを受けて、日本の米に近い品種の米を使ったおにぎりが、現地の食品工場で製造され販売されるようになった。 韓国では、朝鮮半島では「주먹밥」(チュモクパプ、「握りこぶし飯」または「げんこつ飯」の意)などと呼称する。日本のコンビニおにぎりを参考に1990年代初頭、コンビニでの販売が開始されたが、発売当初は定着しなかった。 具をキムチ入りにしたり、海苔や精米の開発をするなどの創意工夫により、2000年代初頭から売れ始め、現在では「三角キムパプ」の名称でコンビニのみならず、専門店もできるほどの人気食品となった。韓国でのコンビニの売上に占める割合では、2006年度には40%以上にまで達したが、2007年度にはパン食志向に押されて30%台となった。 ハワイでは、スパム(ランチョンミート)を具にしたおにぎり[信頼性要検証]が「スパムむすび」という名称で販売されている。 オーストラリアでも、おにぎりがファストフードのメニューとして扱われているというケースもある。
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