占星術の周期と時代の霊的なシフト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 14:44 UTC 版)
「ニューエイジ」の記事における「占星術の周期と時代の霊的なシフト」の解説
元々ニューエイジという言葉は、フランス革命とアメリカ独立戦争の時代に、薔薇十字団とフリーメイソンによって使われたようである。 西洋占星術の伝統の中に、「新時代への文明」へのバラ色の期待を掻き立てるものがあり、これが「ニューエイジ」という言葉の直接の源泉と考えられている。「水瓶座の時代」への移行が人類の精神の大きな進化の過程であるという考えは、進化論流行時代の霊媒・予言者で近代神智学を創始したヘレナ・P・ブラヴァツキーの神智学協会の運動が、普及に大きく貢献した。ただし、神智学協会の運動全体のなかでの「ニューエイジ」の概念はあまり重視されていなかった。神智学協会から分派したアリス・ベイリー(1880年 - 1949年)の著作で頻繁に使われており、水瓶座の時代 = 新時代を指す言葉として使われる一因になったと言われる。ベイリーの著作は他の神智学系の文書と共に、1960年代以降のニューエイジに大きな影響を与えた。 「ニューエイジ」が大きな潮流の鍵概念となるのは、1970年代に入ってからである。この言葉は、多くの人々にとって歴史上の重要な転換点を意味しており、占星術師たちは、キリスト教が支配していた「魚座の時代」から、第三千年期の初めには水瓶座の「新しい時代」に代わると考えた。これは理論ではなく未来像であり、神智学、心霊主義、人智学、それに先行する秘教的な思想の影響を受けたものである。宗教学者の大田俊寛によると、神智学に始まり1960年代にアメリカ合衆国西海岸を中心地にヒッピーと呼ばれた当時の若者の間で流行した思想を受け継ぐもので、旧来の物質文明が終焉を迎え新たな霊的文明が勃興するという、霊的(霊性・スピリチュアリティ)革命論・進化論の思想であると述べている。霊性を進化させて物質文明から精神文明への転換を起こすことが主唱され、現在の物質文明は破局を迎えるという終末論や、人類の意識や霊性が徐々に高まり黄金時代が到来するなど、世界の変容をめぐる様々な思想・未来像が唱えられた。パラダイムシフト、アセンションとも。典型的な例が、神智学協会的な「宇宙人類進化神話」を引き継ぐホゼ・アグエイアスが1987年に起こると主張した、「調和ある収斂(ハーモニック・コンバージェンス)」である。 千年王国思想とニューエイジが結びつくことで、終末思想が伝統的な宗教以外の代替スピリチュアリティにも見られるようになった。教皇庁は、ニューエイジに流入した諸要素が、個人・社会・世界に根本的な変化が起こるために時は満ちたという思想と結びついている、と述べている。ニューエイジは、グローバルな意識の高まりと、環境破壊への切迫した危機感によって成長した。
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