北海道元江別1遺跡土墳墓出土品
主名称: | 北海道元江別1遺跡土墳墓出土品 |
指定番号: | 498 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1995.06.15(平成7.06.15) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 考古資料 |
ト書: | |
員数: | 一括 |
時代区分: | 続縄文 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 本件は、元江別1遺跡から出土した続縄文時代中頃の、土壙墓出土資料一括である。 遺跡は、石狩平野中ほどに伸びる野幌丘陵の北縁に立地し、北側には石狩川の支流、旧豊平川が東流する。昭和五十四・五十五年、道路建設に先立つ調査で約五、二〇〇平方メートルの範囲から、縄文時代・続縄文時代・近世アイヌ期の遺構が発見された。このうち主体を占めるものは続縄文時代の土壙墓で、二七基からなる北群と、一四基からなる南群の合計四一基がある。本件はこの土壙墓群より出土した一括である。 内容は、深鉢形【ふかばちがた】・壺形【つぼがた】等の土器類七二個、琥珀玉【こはくだま】を主とした玉類三六六九箇、石鏃【せきぞく】・石製銛頭【もりがしら】・磨製石斧【ませいせきふ】・掻器【そうき】等の石器類三〇八箇で構成される。土器はほとんどが完形に復元でき、道南地方に分布の中心がある恵山【えさん】式が多く、これに道東・本州北部の特徴をもつものが加わる。また、特筆されるのは九基の土壙墓から出土した三五九八箇にも及ぶ琥珀玉で、これは三基の土壙墓からの出土がそれぞれ約一〇〇〇箇ずつと、特定の土壙墓に集中している。玉類には、他に本州産の碧玉管玉【へきぎよくくだたま】四八箇、さらに石製【せきせい】・玉製環【ぎよくせいかん】等の装飾品もある。北海道における碧玉管玉の出土は、本州に近い道南地方に多く見られるが、道央地方でこれだけ多量に出土した例は少なく、注目される。 以上の多種・多様な遺物群は、道央地方の続縄文時代の葬送儀礼の実態を知る上で貴重であり、当時の豊かな生活文化の一端をよく示している。また、本州北部の影響を受けた土器や碧玉管玉、道東地方等に見られる箆状【へらじよう】石器の存在等は、広い地域間交流の実態を窺わせる。 本件は、先に指定した江別太【えべつぶと】遺跡出土の木製品類を中心とした遺物と共に、続縄文時代の文化を解明するうえで、欠かすことのできない資料である。なお、土壙墓より出土した土器片・剥片・玉類残欠も附として、併せて保存を図りたい。 |
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