初代(通算10代目)X12#型(2004年 - 2009年)
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「トヨタ・マークX」の記事における「初代(通算10代目)X12#型(2004年 - 2009年)」の解説
それまでのマークII兄弟(マークII・チェイサー・クレスタ・ヴェロッサ)からの脱却を目的とし、モデルチェンジにあたり12代目クラウン(通称ゼロ・クラウン)で大幅に刷新されたプラットフォームの採用を契機に名称を含めた大胆な改革を実施した車が「マークX」である。 エクステリアは典型的な4ドアセダンであるものの、マークII時代の正統派からは一転して大胆なスタイリングへと変貌。インパクトの強いデザインが特徴の片側3連プロジェクター式ヘッドライトや厚みを持たせたトランクリッド、ミニバンに刺激されて居住性重視となったあげくルーフ高が高くなりすぎたX110系マークIIの反省から30mmから40mmも全高を低くして、走りのスポーツセダンへの回帰を図った。 こうして「新世代のスポーツセダン」として大胆で挑戦的なエクステリアデザインを取り入れたものが同車であり、とくにリヤバンパーとマフラーのテールエンドが一体化したディフューザー構造をトヨタ製高級セダンで初めて採用。クラウンやレクサスなど、このマークX以降に開発されたトヨタ製の高級セダンの多くもこれを踏襲している。4代目レクサス・LS(ハイブリッドも含む)や同じトヨタブランドの13代目クラウン、5代目クラウンマジェスタにも受け継がれた。 こうしたデザインである以上マフラー交換は容易には行うことができず、多くのトヨタ車用エアロパーツや北米トヨタのサイオン純正エアロパーツを手がける多数のメーカーから対応品が発売されている。ちなみにリアバンパーとマフラーのテールエンドは接合されておらず、バンパーの穴にマフラーのパイプ部分が若干の隙間を開けて挿入されているため、マフラーの排気性能や空力性能の向上にも貢献している。 新しく採用されたプラットフォームは12代目 (S180系)クラウンに先行採用されたものをベースとして運動性能の向上を目的に軽量化が施された。ここで採用された改良事項は、後にプラットフォームを共有する「レクサス (LEXUS)」のISファミリーやGSシリーズにも技術転用され、それぞれで熟成が図られ進化している。 エンジンはマークII時代に搭載されていた直列6気筒から新世代のGR系V型6気筒へと変更された。同車には12代目クラウンの前期型と同様に直噴 (D-4)仕様の2.5L (215PS)と3L (256PS)が採用され、2.5L (215PS)4GR-FSEエンジンはトヨタと長年の技術パートナーシップを組んでいる「ヤマハ発動機」にて生産されている。3L(256PS)3GR-FSEエンジンはトヨタ下山工場にて生産されている。トランスミッションはマニュアルモード付きの6速AT(四輪駆動車は5速AT)となり、マークIIファミリーの歴代モデルよろしく18インチアルミホイールを履いたスポーツグレードが設定されたものの、X70・X80系のGT-TWIN TURBO、X90・X100系のTOURER V、X110系のiR-Vなどに相当するMT搭載のターボエンジン搭載のスポーツセダンは消滅した。 また、クラウンやレクサスブランド車には設定のない「6:4分割可倒式リアシート」によるトランクスルー機能を持ち合わせていることがマークXの特徴である。なお、車体の形式記号はクラウンと同様に先代モデルとなるマークIIファミリーから引き続いて「“X”・・系」(マークXの場合はX120系となる)を名乗ることとなった。
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