初の国外遠征とは? わかりやすく解説

初の国外遠征

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 04:44 UTC 版)

ブルーインパルス」の記事における「初の国外遠征」の解説

第11飛行隊として発足した翌年1996年平成8年)、アメリカ空軍からブルーインパルスへ、アメリカ空軍創設50周年記念してネバダ州ネリス空軍基地において行なわれる航空ショーである「ゴールデン・エア・タトゥー」 (GOLDEN AIR TATTOO) での展示飛行招請があった。これに対して検討行なった結果1億数千万円投じてブルーインパルス史上初となる国外への展開が決定した。 しかし、アメリカでは観客方向向かって飛ぶことは禁じられており、高度制限アメリカの方が厳しい など、日本アメリカでは展示飛行基準異なっていた。アメリカ連邦航空局 (FAA)の係官来日し松島基地アクロバット飛行内容チェックしさまざまな懸案指摘された。これに伴い課目についても進行方向変えたりするなど、部分的な変更迫られた。 ブルーインパルス運用するT-4には太平洋横断するだけの飛行能力はなく、輸送船船積みした上で海上輸送することになり、1997年平成9年3月4日からアメリカ本土へ移動開始された。まず陸上自衛隊木更津駐屯地まで機体機材輸送し、そこで輸送船クレーン船積みされ同年3月10日木更津港出港したパイロット渡米するまでは訓練使用できる機材がない ため、第1航空団第4航空団教育集団から通常仕様T-4リースして訓練行なった。なお、通常仕様T-4ではバードストライク対策キャノピー強化施されていないため、訓練通常より高い高度で行なわれた。 機体は同1997年3月28日カリフォルニア州サンディエゴノースアイランド海軍航空基地到着同年3月26日成田出発した整備員受領し整備が行われた。パイロット4月5日松島基地出発し4月6日成田から出発現地整備員合流し4月10日ネリス空軍基地向かったネリス空軍基地ではサンダーバーズ使用する空域使用した訓練が行なわれた。ネリス空軍基地近隣にラスベガス・マッカラン国際空港があるため、訓練には40マイル北にあるインディアンスプリングス飛行場使用したネリス空軍基地標高が高いことから気圧低く空気密度が低いためエンジンパワー落ち編隊を組むのも容易ではなかったという。また、砂漠での訓練飛行地上目標物少なく苦労したという。 「ゴールデン・エア・タトゥー」は同1997年4月25日26日開催された。アメリカ空軍サンダーバーズのほか、カナダ空軍からはスノーバーズ、ブラジル空軍からはエスカドリラ・ダ・フマサ、チリ空軍からはアルコネス、そして日本からブルーインパルスと、5カ国のアクロバット飛行チーム競演することになったアメリカ空軍ではこれ以外にも、イギリス・イタリア・ロシア・フランスのアクロバット飛行チームにも招待状送っていた が、渡米費の捻出ができずに参加断念している。ただし、イギリス空軍オーストラリア空軍戦闘機展示として参加した低騒音であることがアメリカ人には物足りなかったらしく、サンダーバーズのような迫力はなかった ものの、正確で緻密なパフォーマンス日本とは全く異な環境であるにもかかわらずトラブルのなかったブルーインパルス整備支援体制は、参加した軍関係者からも高い評価得られた。「チェンジ・オーバー・ターン」という課目見たサンダーバーズパイロット正確な機動賛辞惜しまず南米チームパイロットも "Precise!" (正確だ!)と驚嘆したという。この時に披露され課目のうち、ブルーインパルスオリジナル課目である「スター&クロス」については、最初のうちは5機がバラバラ方向スモーク引いているようにしか見えず、ほとんどの観客意図が分からなかったという。しかし、スモーク伸びるにつれ、会場にいた子供の「スター!」という声があちこちから聞こえだした。アメリカ空軍のみならずアメリカ合衆国そのもの象徴でもある星 が空中描かれると、観客からは絶賛されたという。この「スター・クロス」は、アメリカ人観客からはアメリカ空軍50周年記念したスペシャル課目思われていたと推測されている。 会期終了後、同1997年4月28日ネリス空軍基地からノースアイランド海軍航空基地移動し、そこで再度船積み行なって同年5月6日出港松島基地には5月28日帰還した。 このアメリカへの展開は3ヶ月及んだため、この1997年展示飛行回数15回にとどまった。なお、この年には松島基地新しい隊舎が完成した

※この「初の国外遠征」の解説は、「ブルーインパルス」の解説の一部です。
「初の国外遠征」を含む「ブルーインパルス」の記事については、「ブルーインパルス」の概要を参照ください。

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