再公募へ向けて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/03 06:12 UTC 版)
「2020年東京オリンピック・パラリンピックのエンブレム」の記事における「再公募へ向けて」の解説
9月1日に即刻、佐野エンブレムの使用は中止となり、大会組織委や東京都などはホームページなどで、招致段階のエンブレム(桜のリースがモチーフ・島峰藍デザイン)で早急に代用する措置をとった。これを本番まで使い続ければという世論も一部出たが、既に広く無料配布されており大会スポンサーにとって営業面でのメリットが少ないなどの見解があった。その、既に契約を済ませた大会スポンサーはテレビCM等において、1993年制定のJOC第2エンブレムと日の丸のJPCエンブレムを表示してすごす例もあった。なお、佐野エンブレムの発表前には、「Tokyo 2020」というシンプルな文字だけのロゴも存在し、10月現在でも使用が見られた。 9月16日、新エンブレム(選定)の委員会を設置するための準備会が、6人の有識者(宮田亮平、杉山愛、但木敬一、夏野剛、マリ・クリスティーヌ、山本浩)により発足。28日には、東京2020エンブレム委員会の構成委員リストと、新エンブレム選考において踏まえるべきポイントについて正式発表された。 16日の準備会記者会見において、「前回エンブレムの選考騒動に関する検証を行わないのか」を複数の記者が質問したが、事務局担当者は検証するかしないかはエンブレム委員会の判断に任せるとし、準備会座長でエンブレム委員の宮田亮平は「(当委員会は)検証が目的ではない」と答えた。これを受け、国立競技場問題のように別の検証委員会を作って検証するつもりはないのかという質問がなされたが、事務局担当者は自分が答えられる範囲にないとして答弁を避けた。 28日の大会組織委による記者会見では、旧エンブレム策定の反省点として「コンセプトの議論不足」「応募者の制限」「審査員選任の閉鎖性」「策定プロセスの不透明性」「大会組織委の情報共有の不足」などが挙げられた。内容的には前回の記者会見で述べられた反省点のほぼ繰り返しで具体的な検証報告はなされなかったが、業務・運営全体を管理・監督すべき立場の事務局の怠慢であるとして、武藤敏郎事務総長の報酬月額の20%×2か月分、2名の副事務総長の報酬月額の10%×1か月分の自主返納と、佐野エンブレム展開例で無断使用された写真を記者会見で公開した責任から電通の槙英俊担当局長を戒告処分したと発表した。 10月29日、外部有識者による調査チームの第1回会合が開かれた。弁護士で元東京地検検事の森本哲也と和田衛、公認会計士の鵜川正樹、新エンブレム選考委員でもある山本浩の計4人で構成。旧エンブレム選考の関係者への聴取を実施した。12月18日発表の報告書によると、一次審査で、公募前に参加を要請していたデザイナーの計8作品のうち2作品の落選回避のため、不正行為(耳打ち・指さし)があったという(その結果2作品とも無事に一次通過)。審査委員代表の永井一正は前述の計8作品を無条件で二次審査に進める意向だったという。なお、佐野エンブレムは、どの審査段階でも最多得票での通過だったため、報告書は問題なかったとしている。 12月21日には組織委の担当者が、旧エンブレムの国内応募者全100人宛に、誤って「BCC」でなく本人以外のアドレスが可視化された「TO」で、メール送信してしまった不祥事があった。 「エンブレム」は、この年の新語・流行語大賞のトップ10に入った。 2016年1月19日、この旧エンブレムに関連した費用は、計1億900万円だったと発表された(全額を組織委が負担)。
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