再入幕と復活優勝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 17:28 UTC 版)
11月場所4日前の11月6日にはそれまで1年以上できなかった相撲を取る稽古を行っていた。時津風部屋での出稽古で幕内の豊山、錦木、正代を10番取って10連勝と絶好調をアピールし、さらに「(東京)オリンピック前に幕内に上がりたいんだ」と抱負を語った。11月場所は西幕下10枚目で7戦全勝優勝となり幕下優勝を飾った。さらに来場所の関取復帰を決めた。日本相撲協会は11月27日の番付編成会議で照ノ富士の10場所ぶりの関取復帰を決定した。大関経験者、幕内経験者、幕内最高優勝経験者の序二段からの関取復帰はいずれも史上初。三役以上経験者が三段目以下に陥落してから十両に復帰する事例自体もこの場所で同時に再十両を達成した千代鳳を含めて常幸龍以来3人目。照ノ富士は「新十両が決まったときよりうれしい」と再十両を決めた感想を述べ、さらに「改めて気が引き締まる。応援してくださる方々の期待に応えられるように頑張りたい」と決意のコメントを残した。2020年1月8日の時津風部屋への出稽古では北勝富士、正代、豊山らと相撲を取り、計7番取って6勝1敗。本人は「昔感じたことが最近、復活している」と復調を感じ取っていた。 2020年1月場所初日の千代鳳戦は、大相撲史上初となる「三段目以下に陥落してから十両に復帰した三役以上経験者同士の対戦」であったが、極め出しで白星を獲得している。十両での白星は自身として662日ぶり。この場所は中日で勝ち越しを決め、16場所ぶりとなる関取の地位での勝ち越しとなった。そして13日目に十両優勝を決めたが、その後は連敗し13勝2敗で終えた。 3月場所では、5日目まで順調に白星を積み上げ、6日目に土が付くが10勝5敗と終え、2場所連続で2ケタ勝利とし幕内復帰を確実にした。 5月場所は新型コロナウイルス感染拡大により中止となり、7月場所前の7月9日、部屋の宝富士と翠富士を相手に20番ほど相撲を取った。それまでしばらくの間20番も相撲を取る稽古を1日に行ったことはなく、復調をアピールする結果となった。本人は「こういう時期だからこそ、乗り越えてきた自分だから言えることもある。みんなに我慢ということを相撲でちょっとずつ伝えていきたい」と日刊スポーツの取材に応じた。 7月場所は幕尻の東前頭17枚目で迎え幕内復帰後初の場所となり9日目で勝ち越しを決め、11日目に十両を含め3場所連続2ケタ勝利となる。13日目、新大関の朝乃山との1敗対決を制し単独トップに立つ。14日目に正代に敗れるが、朝乃山も照強に敗れたことにより単独トップのまま千秋楽を迎え、御嶽海に勝ち、5年振り2回目の幕内最高優勝を果たした。元大関の平幕優勝は魁傑以来44年振り史上2人目、再入幕場所での優勝は同年1月場所の徳勝龍以来史上2人目、幕尻優勝は同年1月場所の徳勝龍以来史上3人目、30場所ぶりの優勝は琴錦に次ぐ歴代2位のブランク優勝、過去に幕内最高優勝した力士が十両以下に陥落後再び幕内最高優勝したのは史上初の快挙となった。
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