共産主義者同盟の再建と挫折とは? わかりやすく解説

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共産主義者同盟の再建と挫折

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 19:33 UTC 版)

カール・マルクス」の記事における「共産主義者同盟の再建と挫折」の解説

1849年以来共産主義者同盟メンバー次々とロンドン亡命してきていた。モル革命戦死したが、シャッパーヴォルフは無事ロンドン到着した。また大学出たばかりのヴィルヘルム・リープクネヒト、バーデン・プファルツ革命軍エンゲルスの上官だったアウグスト・ヴィリヒ(ドイツ語版)などもロンドンへやってきてマルクス新たな同志となった。彼らを糾合して1850年3月共産主義同盟再結成した。 再結成当初は、近いうちにまた革命が起こるという希望的観測に基づく革命方針立てたドイツでは小ブルジョワ民主主義組織増える一方労働者組織はほとんどなく、あっても小ブルジョワ組織指揮下におさめられしまっているのが一般的だったので、まず独立した労働者組織作ることが急務とした。またこれまで通り封建主義打倒までは急進的ブルジョワとも連携するが、彼らが自身利益固めに走った時はただちにこれと敵対するとし、ブルジョワ抑制したがる官公庁占拠など暴力革命積極的に仕掛けていくことを宣言した。ハインリヒ・バウアー(Heinrich Bauer)がこの宣言ドイツへ持っていき、共産主義者同盟ドイツ内部秘密裏再建する工作開始したバウアーその後オーストリアで行方不明となる)。 しかし1850年夏には革命の火はほとんど消えてしまった。フランスでは左翼勢力はすっかり蚊帳の外で、ルイ・ボナパルト帝政復古か、秩序党王政復古かという情勢になっていた。ドイツ各国でもブルジョワ革命放棄して封建主義勢力にすり寄っていた。革命精神幾らかでも残ったのはプロイセンドイツ中小邦国組んで起こそうとした小ドイツ主義統一動きだったが、それもオーストリアロシアによって叩き潰された(オルミュッツ屈辱)。 こうした状況の中、マルクスは今の好景気が続く限り革命起こり得ない結論するようになり、共産主義者同盟メンバー対し即時行動諦めるよう訴えた。だが共産主義者同盟メンバーには即時行動求める者が多かったマルクス独裁的な組織運営への反発もあって、とりわけヴィリヒが反マルクス派の中心人物となっていった。シャッパーもヴィリヒを支持し共産主義者同盟内に大きな亀裂生じた1850年9月15日執行部採決ではマルクス派が辛くも勝利を収めたものの、一般会員にはヴィリヒ支持者多く、両派の溝は深まっていく一方だった。そこでマルクス共産主義者同盟本部プロイセン王国ケルンに移す事を決定した。そこには潜伏中秘密会員しかいないが、それ故にヴィリヒ派を抑えられる踏んだのである。だがこの決定反発したヴィリヒ達は共産主義者同盟から脱退しルイ・ブランとともに国際委員会」という新組織を結成したマルクスはこれに激怒しこの頃彼がエンゲルス宛てて送った手紙もこの組織への批判罵倒一色になっている。 共産主義者同盟本部ケルン移したことは完全に失敗だった。1851年5月から6月にかけて共産主義者同盟著名なメンバー11人が大逆罪容疑プロイセン警察によって摘発されてしまったのである。しかもこの摘発命じたのはマルクス義兄(イェニーの兄)にあたるフェルディナント・フォン・ヴェストファーレン当時プロイセン内務大臣)だった。フェルディナント今回陰謀事件どれほど悪質であったか、その陰謀背後にいるマルクスがいかに恐ろしいことを企んでいるかをとうとうと宣伝した。これに対抗してマルクス11人が無罪になるよう駆け回ったものの、ロンドン証拠収集してプロイセン法廷に送るというのは難しかったそもそも暴動教唆する文書出したのは事実だったから、それを無害なものと立証するのは不可能に近かった結局1852年10月開かれた法廷被告人11人のうち7人が有罪となり、共産主義者同盟壊滅的打撃を受けるに至ったケルン共産党事件)。 これを受けてさすがのマルクス共産主義者同盟存続諦め1852年11月17日正式に解散決議した以降マルクス10年上もの間、組織活動から遠ざかることになる。

※この「共産主義者同盟の再建と挫折」の解説は、「カール・マルクス」の解説の一部です。
「共産主義者同盟の再建と挫折」を含む「カール・マルクス」の記事については、「カール・マルクス」の概要を参照ください。

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