使い方と応用例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/26 06:19 UTC 版)
「M2052制振合金」の記事における「使い方と応用例」の解説
M2052制振合金は振動応力を直接受けることで振動エネルギーを吸収する。そのため、振動伝達経路に直接挟む(直列挿入)方法と振動伝達経路にダンパーとして置く(並列挿入)方法がある。また、並列挿入では金属板表面にシート材を張り付けることで制振鋼板のような複合型制振材料の機能を追加する方法もある。 自由な形状を制作でき、振幅依存が単純で使いやすいM2052は応用できる範囲が広いと言える。しかし地震のような大きなエネルギーを吸収できるわけではなく、また、ゴムや樹脂で十分な対策が可能である分野では採用されない。 M2052制振合金は音響装置や画像装置の分野で応用が始まり、次第に加工機械のビビり対策、面粗度の向上対策の分野へと広がっている。 各産業分野における2052の応用形態業界名想定課題棒材 板材 箔材 線材 粉体 使い方産業機械 内部振動源、床振動による画像位置決め悪化 ロボットサイクルタイム悪化 ○ ○ ○ 板金への板、箔の貼り付け。板バネ構造によるダンパー構造。他 建築機械 粉砕機、エアーハンマーの騒音や白ロウ病 ○ ○ 板金への板の貼り付け。他 工作機械 機械内部振動源(モータ、主軸、X,Y,Z軸動作、等)床振動、ビビりによる寸法精度、真円度、 面粗度(表面粗さ)の悪化 ○ ○ マウント構造、板材を挟む、砥石パッキン。他 林業機械 チェーンソーによる白ロウ病 ○ ○ 板金への板の貼り付け。他 木工機械 鋸刃の切断音、鋸刃寿命 ○ ○ 鋸刃パッキン。他 ラジコン モータ、エンジン、プロペラ回転ブレードの回転軸の偏心による操作性悪化 映写映像の悪化(こんにゃく現象) ○ ○ ワッシャ、ネジ、板金への板、箔の貼り付け。他 測定器、電子機器 トランス、コイル、モータ振動によるS/N比悪化 ○ ○ ○ ○ ○ ワッシャ、ネジ、板金への板、箔の貼り付け。線材巻き付け。他 オーディオ トランス、コイル、モータ振動による高周波数ノイズの混入 ○ ○ ○ ○ ○ ワッシャ、ネジ、板金への板、箔の貼り付け。線材巻き付け。他 家電 ダイソン掃除機の音対策 ○ ○ ○ ○ ワッシャ、ネジ、板金への板、箔の貼り付け。線材巻き付け。樹脂成型品への粉体混入。他 自動車 エンジン、モータ、トランスミッションタイヤの騒音、乗り心地悪化 ○ ○ ベアリングケース、エンジン、モータマウント、板材貼り付け。他 船舶 ダクト、エンジン、隣室からの騒音 ○ ○ ○ ○ 板金への板、箔の貼り付け。箔のハニカム構造。他 建築 地震による建物の変形、ダクトの音上下左右の騒音、近隣道路の振動公害 ○ ○ ○ ○ 板材による鎹構造、線材の引張構造。他 原発 地震、タービン回転ウォーターハンマー等による冷却パイプの疲労破壊 ○ ○ パイプ支持構造、パイプへの箔、板の貼り付け。他
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